4.一時の安心
私はそそくさと逃げるように帰っていくようにも見える先生を追う。
勿論、私の大きめの果実の揺れている姿にオス豚どもは釘付けだ。
「恵梨先生っ」
すると先生は少し驚いた顔をしてこちらを振り向いた。
「どうした、霧島。3限のことが心配か?」
「え、ええ。まぁ、確かに集合場所を聞いてなかったなぁ〜なんて思ったりしましたが」
「そうか、それはすまなかったな。集合場所は第3会議室だ。では」
…この人やっぱり何か隠しているよな?
いやだって、そそくさとめっちゃ逃げようとしてない?
と言うわけで私は私の気づいた嘘がその隠したいことなのか探ってみた。
「先生っ!」
先生は少し呆れながらこちらを振り返る。
「なんだ?まだ用があるのか」
「私のこの美しい眼をみてください‼︎」
「…?それがどうしたと言うのだ?確かに綺麗な眼だが」
「先生はこのキレイなまなこに…」
私は少し間を置く。
「『嘘』なんてつけませんよねぇ?」
先生は少し動揺したかのように目を見開いたがすぐに平静を装った。
「あぁ、私は嘘などつかないぞ。さぁ審査会が始まる。急げ」
私は先生の忠告を無視して食い気味に話す。
「センセー。生徒会長が2、3年生かもしれないって言いましたよね?」
先生の顔に焦っている顔が見える。やはりこの嘘が隠したかったことか。
「譲渡権が存在するなら?1年生が生徒会長になれる可能性もありますよねっ」
ここは語尾の音を少し上げて明るい少女で攻める。
「…ッ⁉︎ それに気付くとは… 流石だな。あぁそうだ1年生が生徒会長かもしれない。私はそうは言わなかった。だが私は決して1年生が生徒会長ではないなど一言も言っていない。その点で言えば嘘はついていない」
「まぁ確かにそうですね‼︎ ありがとうございましたっ」
そうして少し会釈をしてから私はその場から離れた。先生が少し安堵の表情を浮かべた顔をしていたが、それは私のような優秀な生徒が生まれたことに安堵していたのだろう。
聞きたいことも聞いてスッキリしたことだし、会議室に向かうとするか。
●
「ねーねー。冷川ちゃ〜ん。妹さんが1年生に入学してるんでしょ?今年の1年生は手強そうだねぇ。キャハハハハ。今は無法だしぃ?殺し合いとかいとかしちゃう⁉︎」
赤髪の少女は隣に立つ少女に向かってとても楽しそうに言う。
彼女は3年生の一人であり、あるクラスの副リーダーである。
「えぇ⁉︎」
「わっ。びっくりしちゃうじゃん。そんなに驚かなくてもいいのにぃ〜」
赤髪の少女はポニーテールにした髪を指で巻きながら笑ってそう答えた。
「いや、私と同じ考えだったからちょっとびっくりしちゃったんだよっ!私も100人くらい殺したいなぁ〜」
もう見当もついているだろうが、彼女がそのクラスのリーダー。そして、霧島と同じクラスの冷川の姉である。水色の髪にボブで透けて見える瞳がとても美しい少女だ。
「あははは。冷川さんって容赦ないなぁ。あ、そろそろ時間じゃない?いそがないと。クソ生徒会をぶちのめすチャンスでもあるし」
「え?」
氷よりも凍てついたような言葉が口から発せられる。
その瞬間、赤髪の少女はやっちゃったかも、と思った。
「生徒会をぶちのめす?ぶちのめす程度じゃだめだよ?ねぇ。地獄。いやそんな抽象的な概念でも表せない、終わりなき混沌の世界をあのクソ道化共に見せつけないと。わかってるよね?火輪ちゃん」
彼女の目は透き通っている。だが、逆に言えばそれは非人間的な目だ。心を宿していないかのような氷のような目。闇や光といったそう言うものじゃない。『無』のみを感じる。そんな目に見つめられると、得体の知れない怖さを感じる。火輪はこの目に慣れない。それ故にこの冷川… そう、ダークサイド冷川には慣れないのである。
「う、うん。わかっているよ。あ、チャイム鳴ってない?遅刻じゃない?行かないと。そうだよ、イコーイコーイコー」
そう言いながら彼女は逃げるように去っていた。
「あ、うんそうだね。行かないと行かないとっ!」
それを冷川も追う。
よし、俺も動くとするか。
どもども、いい子ちゃんですっ
花粉症の季節になってきました。私も鼻がグスグスで〜モウヤダッ!
そんなことはさておき、次回からは会議編ですっ!
一気にキャラが増えますのでお楽しみを〜




