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1.混沌審査会

色々あったが、とりあえずこの面倒見のいいメス豚こと川嶋の助けもあって、第3会議室にたどり着くことができた。と言うわけで、ちょっと大きめの扉を開けて会議室に入室しようという訳である。

「霧島ちゃん… なんか私、少し緊張して来た」

「うん。そうだね。でも、川嶋ちゃんなら大丈夫だよっ。だって私がついてるんだからさ」

私は満面の笑みで自信満々にそう述べる。

すると川嶋はとても安心したように息を吐いて、扉に手をかける。

「うん、そうだよね。霧島さんがいれば大丈夫だよね。それじゃあ、中に入ろう」

そう言って、会議室の扉を開ける。

すると、ちょうどそこに同じ学年で川嶋と同じ1年1組の松尾がやってくる。

「あ、川嶋じゃん。ヤッホー」

「あ、松尾くん。や、やっほー?」

そして、川嶋に気付き、挨拶をするがこちらにも気づく。

ちなみに川嶋はやっほーに慣れないようで、少し困惑しながら挨拶し返していた。

「あれ、霧島じゃん。久しぶりに会ったな。お久さー」

「松尾くん、お久しぶり。審査会頑張ろうねっ!」

「あぁ、そうだな。入ろうとしていたみたいな所邪魔したし、一緒に入るか?」

「う、うん。そうだね。」

また川嶋ははにかんだ笑顔をして、返事をした。

いよいよ、審査会に一歩踏み出す…

「我は科学の王。そして実験の女神‼︎ 正体不明の大天使、ノエ・クラセ・カンジェリンである。略して、のえりんと呼んでくれっ!皆の者、準備はいいか?今回はこのよく分からない無法国家となった我が国の学校の一つの様子を全世界の視聴者諸君にお見せするぞっ!さぁ、今回の企画の名前はこちら。『無法となった学校で行う、新たな法律を決める会議に潜入して、爆薬を爆散してみたっ⭐︎』だ。」

すると、松尾がこっちを向いて呆れたように言う。

「何だ、アレ。怖いんだけど…」

「はわわわわわわぁ」

「はわわわわわわわぁ」

「え、ちょっと?2人ともどうしたの?」

「あ、あの人は某有名動画サイトでチャンネル登録者数400万人超えを達成して、各SNSで100万単位のフォロワーを獲得している、超人気な女子高校生のえるんですよ?」

「え、そうなの?」

「あの人はすごいんだよっ。すごい頭が良くて、何でも科学的な実験とかできるのに、阿呆なことしか考えなくて、それでいてちょっとメスガキ要素も併せ持つ厨二病なんだよ。最近一番バズった動画は『大手外資系会社代表取締役社長の椅子に爪楊枝一本ぶっ刺して怒らせてすぐに説教になるけど、椅子に実は塗ってあったスースーする薬で社長悶絶中www』っていうすごい面白い動画なんだからっ」

「いや、それって結構ヤバいことしてるんじゃないの…」

そう、そうなのである。のえるんは本当にすごい。あの美形な顔面や果実や美しい黄色の髪にロングツインテールを持っていながらのあのキャラは中々に濃いキャラである。簡単にまとめて仕舞えば阿呆豚。彼女の動画に私は常に癒されているのである。こんなに阿呆な豚がこの世にはいたのか。ふはははははは、と。

「でも、まさかこの学校にいたなんて…」

川嶋が少し興奮気味にそう話すと、のえるんがこちらに気付き、近づいてきた。

「我のファンであるか?安心せよ、お主のことも我の持つこのカメラと、四方に貼られたカメラで写しているが故にお主も世界中に知られておるぞっ!」

「ふええ」

情けない声が川嶋から漏れる。無法となっても配信はできるのか。さて、この配信を私もみてみるとしよう。

な、なななな、700万人⁉︎ まさかの同接者数700万人である。これは、彼女の人気がよくわかる。先の見えない無法国家では、彼女のような阿呆さが明るい光となっているのだろう。しかし彼女のような大人気な存在がいても私達が彼女を知らないなんて、上学年のよほどのリーダーを隠したいという意志を強く感じる。ちなみに彼女は2年2組の席に座っているため、2年2組なのだろう。

「はてさて、どんな面白い動画が撮れるのか… 楽しみであるなぁ」

私も楽しみであるなぁなどと思っていると、この雰囲気を良しとしない者が声を荒げる。

「おい、そこの阿婆擦れ。ここは審査会だ。配信などとふざけたことを言っているのではない」

この人ヤバな強メンタルだな。

登録者400万人超えの美人女子高校生に阿婆擦れというのは社会的に抹殺される可能性が高い超絶危険な行為なのに、それを何食わぬ顔でやってのけているのだから恐ろしい。

まぁ、無法国家の我が国でそんなこと気にする必要もないかもしれないが。

「ちょっとぉ。我を阿婆擦れ呼ばわりとは中々の変人であるなぁ。岩城先輩」

「うるさいな。俺の名前を気安く呼ぶなよ。ここは厳粛な会議の場であり、審査の場だ。変な企画を実施するなら、これが終わった後にしろ」

すると、岩城はのえるんに近づき、手に持っていたカメラを掴み、そのまま握りつぶした。

「先輩、ゴリラよりも握力のであるのだなぁ。これ、100万は下らない品であるのだが?」

「知らん。お前の管理責任だ」

一触即発の空気となり、場は少し静まる。

だが、ここで声を上げたものがいる。

「私はのえるんの配信面白いと思うけどな。だってだってさ、こんな良くわからない無法国家でのえるんの配信は私達の光だし、会議なんかしたって意味なんかないじゃん?」

すると、隣にいた川嶋がこそこそ声で喋り始めた。

「あ、あの人、高校生でアイドルデビューして、今一線を走ってる天川さんじゃない?」

「そんなすごい人がいるのか?俺、全くそういうのわからないんだよな。というか、あの人も2年2組じゃね。すごいな2年2組。エンタメの生徒ばっかだ」

言われてみれば、彼女は結成1年未満でテレビで引っ張りダコだったアイドルグループ、ソフトスラックスのセンターの人である。緑色のロングヘアーが可愛らしい。

のえるんと同じ2年2組というのは何か意図があるのだろうか。

「おいおい、お前も厳粛なこの場にキャピキャピを持ち込もうっていうのか?天川」

「違いますよ?岩城先輩。私はこの重っ苦しい空気を改善したいっていう話をしているんですよ?」

すごいな、彼女は岩城と言い合いをしているが負ける感じがしない。しかも、何というか彼女のことを見てしまう。彼女に吸い込まれるような、天性のアイドルとしての魅力を感じる。

「だって、先輩は私達女子の気持ちなんてわからないでしょ?」

今も唇に手を当ててあざとく、岩城と言い合いをしている。

さて、そちらの方を見ていても仕方がないので、私は川嶋と松尾に席に着くように促した。

彼女達は1年1組の席に。私は1年4組の席に座る。

…赫藺はまだ来ていないようだ。

「ガチャン」

と考えていると、赫藺が来た。

赫藺は私の方を見ると、少し嫌そうな顔をして私の隣に座った。

「ねぇ、赫藺くん?今私の方を見て嫌そうな顔をしていなかった?」

「知らん」

「いやいや、してたよね?何で?何で私を見てあんな顔をしたのか教えて欲しいんだけど…」

と私は世界の誰しもが惚れてしまいそうな(勿論男女問わず)顔をして、赫藺に頼んだ。

「お前は自尊心の度が過ぎてるな。っけ」

は?はぁ?ふざけてるんですか?舐めてるんですかコイツは?何なんですか?

マジお前なんか〇ねよクソやろうが。と言う言葉をつい吐きそうだ…

「…赫藺くん?口が悪いというか、何の根拠もなくそういう…」

「根拠ならあるぞ」

何だよ、その話詳しく聞かせてもらおうじゃあ、ねぇか。

「ガチャン」

と思った矢先にまた誰かが入ってくる。

赤髪のポニーテールの少女だ。まるで、私達と同学年のような容姿だが、私はあのような生徒を知らない。

ということは上級生であろう。

「あれぇ。またやってるの?のえるんちゃん。それに岩城くんや天川ちゃんまで。少しは静かにしないとだめだよっ?」

どこか妖艶に、彼女は薄く笑いながらそう言った。

「あ、火輪先輩。我は配信をやめたので大丈夫でありますっ!」

「おぉ、苦しゅうない」

何だ、時代劇か?と思うような掛け合いである。

のえるんに先輩と呼ばれているということはまさかまさかの3年のようだ。

「ッチ。火輪。この馬鹿な2年生どもを何とかしろ」

「もぉ、岩城くんはそうせっせと物事を運べるほど私は器用じゃないこと知ってるのに、意地悪だなぁ」

「うるさい。さっさと何とか天川を黙らせろ」

すると、火輪は少し考え、ニヤッと笑って、天川にサインを送って、岩城にこう言った。

「女子には女子の悩みがあるんですよ、岩城せぇんぱぁい」

「ッチ」

天川と火輪はクスクス笑って、岩城は少し憤慨しながら自席に戻る。

…と思ったが、火輪がこちらに近づいてくる。

「風磨?」

風磨?誰のことを言っているのだろうか。

「…」

「やっぱ風磨じゃん?お姉ちゃんに久しぶりに会えて嬉しい?どうよどうよ」

「あまり、下の名前で呼ばないでもらえますか、桐堂さん」

………⁉︎

赫藺だったぁぁぁぁ!

「もぉ、フーマ君はお姉さんの前で恥ずかしがりなんだから」

「あなたは僕の姉ではありません」

「いやいや、幼小中高と同じならもう家族みたいなもんよー」

珍しく赫藺が押されているように見える。すごいなこの先輩。さっきまでメスガキ雰囲気だったのに、今では姉らしさ全開だ。胸は板だが。

「まぁいいよ、フーマ君っ。そっちの可愛い女の子は友達かな?風磨をよろしく!」

いきなり私に話かけてきてびつくりである。しかし、この場を利用して赫藺を煽ろう。

「あ、はい。風磨君にはいつも迷惑かけられていますが、これからもただの1クラスメイトとして付き合っていきます」

「いうねぇ、この子。ね、風磨」

「…」

火輪は少し笑ってから、自席に戻った。

「風磨君」

「下の名前で呼ぶな、自尊心の塊が」

は?だから何だよそれ。

「何を言っているのかかな、フーマ君っ?」

私は超絶な笑みを浮かべる。

「青筋が浮いてますよ?自尊心の塊さん」

コイツ…

いや、待てよ。今火輪はどこの席に戻った?

…火輪は議長席に座っていた。3年4組。今回の議長クラスだ。

「ガチャン」

また、誰か入ってきたようだ。

「ふぅ。火輪ちゃん歩くの早いヨォ。私、疲れて… ゼェゼェ…」

絶世の美女ってやつである。認めたくないが私と同レベルの美女である。そしてすごい大きい果実である。そして私と同じ、ボブである。

「あ、冷川ちゃん。もうチャイムなるよぉ?急ぐのは当然じゃん」

「そうなんだけど… ゼェ… まぁ、そっちに行く…」

冷川? まさか、ツン豚の姉か?いや、ツン豚は発狂するほど怖がっていたんだぞ?あんなThe無害女子なわけない。それに全然ツンツンしてないし。ただの同じ苗字だよな…

「あ、!」

冷川がこちらを見て来た。

結構、ソーシャルディスタンスって知ってる?って距離まで私の所に近づいて来た。

私が男子なら、失神している自信がある。

「あれぇ、侑架のクラスだよね?侑架はいないんだぁ?」

侑架とは誰のことだろうか?

「すいません。侑架さんっていうのは誰でしょうか?」

「あ、侑架は下の名前言わない感じか。私も言ってないしね。冷川侑架。私の妹だよ?あのツンツンしてる子」

…マディかよ。あんなに恐れてた姉がこれかよ。ツン豚よ。姉が美人だからって発狂するな。

「ふぅん。中々面白い子達みたいだね。霧島さんに赫藺くん、か。侑架によろしくね」

とても美しい笑みで私達にそう述べて、議長席に冷川は向かった。

しかし、赫藺はすごいな。冷川相手に全く赤面せず、無関心そうだった。

男なのか?彼は。

だが、一つ妙なことがある。冷川が来てから、一気に部屋が静かになった。まるで、動物達が王の気を逆撫でしないようにしているかのように。

まぁ、タイミングがそういうタイミングだっただけだろう。気のせいだ。


「それでは、校法審査会を始める」

どもども、いい子ちゃんです。

今回はちょっとキャラが多い?かもしれませんが大丈夫(いや何が?)だと思いますっ!

いやぁ、2年生もどんどん深ぼるぞっ!

ではまた〜

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