第三話 らーめん人生
どうも狸寝入りです! 今日も今日とて仕事なゴールデンウィークなのです! 今回は食事回
楽しんでもらえたら嬉しいのです~
「しかし、百均とはすごかったのじゃ。凄い物の数じゃっが儲けはあるのかの?」
「あそこは特にすごいんです。まぁ、百円以外のものもありますけど」
「そういう罠もあるのか……。ぬ?」
突然カリブのお腹がきゅるりとないた。
「そういえば朝から何も食べてないですよね? ご飯食べますか?」
「うむ、そうじゃな。妾は、らーめんとやらが食べたいぞ」
「ラーメンですか……。それなら手持ちでも大丈夫そうなので、早速行きましょう」
轟はそう言うとカリブの少し前を歩いて、道案内を開始する。
大通りを進み少し入り組んだ路地を歩くこと数分、赤い暖簾にら~めんと書かれた昭和の匂いがする建物の前にたどり着いた。
「味わい深い店構えじゃの。よく来るのか?」
「うーん、月一くらいですね。安くて美味しいので」
そう答えながら轟は横開きの扉を開けて、カリブに中に入るように促す。
「へいらっしゃい! あ、轟君」
「どうも、店長。今日は普通の客です」
「そうなのかい! じゃ、すぐにつくるからまってて」
轟は店内のL字カウンターウンター入り口側の端に座った。
カリブは店内を目で見まわした後、その横に座る。
「メニューは見ないのか?」
「ああ、それがここはラーメン以外ないんです」
「それは潔いの。そういえば今日は普通の客と言っておったが、普段は違うのか?」
「それは――」
「轟君はたまに、皿洗いをしてタダで食べて帰るんですよ。あ、これ熱いから気をつけて」
言い淀んだ轟をさえぎるようにラーメンが運ばれてくる。
「それはそれは、轟らしいの」
「どういう意味ですか」
「む? あの家を見てればな、なのじゃ。いただきます」
カリブは器用に割り箸を割って、ラーメンを食べ始めた。
「いただきます」
何も言い返せない轟もラーメンのスープを飲み始める。
「む! これは何とも面妖な、魚介、肉のうまみ。不思議と調和されているのじゃ」
「はは、おもしろい表現をするね、お嬢ちゃん」
「口にあってよかったです。ここのラーメンは僕も好きなので」
「うむむ、これがジャパンヌードル。日本にきて正解なのじゃ」
はふはふと幸せそうに食べ進めていき、ものの数分で完食してしまう。
「ごちそうさまでした」
「なのじゃ」
「いや~、美味しそうに食べてくれて嬉しいよ。今日は俺が奢っちゃうよ」
「え、そんなの悪いですよ」
「いいって、いいて。俺は君の事を応援してるんだぜ」
「ありがとうございます」
「よき店主じゃな。馳走になったのじゃ」
二人は頭を下げて、店を後にするのだった。
今回もやりきりました!止めずに毎週水曜日、サンデーの後に読む的なものを目指したいのです~