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ハローウィーン
ハローウィーンの夜には
気ままに墓地をゆく
仮面をすることも取ることも
同じなんだから
ランタンの灯が消えたら
あなたはどうするかい
はしゃぐか叫ぶか家に帰るか
僕ならきっと
あなたを真似るだろう
人間のふりをしているのさ
シーツを被ったお化けのように
目尻を下げ 歯茎見せた
何もかもあなたを真似ている
幽霊のふりも続けるのさ
透明纏ったあの日のように
レイヤーの向こうにあなたがいて
距離はゼロでも触れられない
空のバスケット
月下 独り舞台
夜の匂いがする
いつも通りの夜には
気ままに墓地へゆく
呼吸が止むことも吐くことも
同じなんだから
街頭の灯が消えたら
僕はどうしようか
走るか歩くか端に寄るのか
ここにはたった
落ち葉が積もるだけだ
人間のふりをしているのさ
毛布を被ったあなたのように
「あなたが好き」手の花束
そう未だあなたを真似ている!
幽霊のふりを続けるのさ
あなたを一人にしたくなくて
レイヤーの向こうに誰かがいて
距離は今でも縮まらない
馴染めないステップ
街路 影法師
花の匂いがする




