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亡国兵士は永遠に  作者: 窓際の箪笥
1章 神秘の聖地
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5 初の邂逅

見つけてくださり有難うございます。

溢れんばかりの眩しい太陽光が瞼を優しくノックする音が聞こえる。

あのあと、俺はすぐ眠りについたのだろう。証拠にあれ以降の記憶が無い。

正直、あまり野宿をしたことが無かったので少し不安だったのだが、疲れはそれを眠りに押しのけていたようだ。


さて、今日はあのウサギをもう少し狩ろうと思う。レベル上げや実戦経験にもなるが、第一に物資が手に入るからだ。


そうと決まれば早速リュックを背負って、MP40を手に持ち、グリップをポケットに入れる。

昨日、弾撃ちの時にどれくらいまでやるか分からないために少し多めに作ったのだ。

と、リュックの中から昨日のクラッカーの残りを取り出し、口の中に放り込んだ。

朝食は食べておいて損無いからな。


そういえば、ここに来てから一度も便意を感じていないように感じるが、気の所為だろうか。


〘気の所為ではありません。神秘の聖地では便意は感じず、排便なども必要ありません。〙


スゴイな…我がドイツでも不可能な技術だぞ…

まぁ、それは普通に有り難いことだ。何処にもトイレなんか無いわけだし。


よし、持ち物は全部持った、さっさとウサギを探そうじゃな…

居た。目視で確認できるそこそこ近くのところに。

もう少し近付いてから、撃ってみようか。

できるだけ足音を立てないように、ゆっくりと歩いて近付いて…ここ!


その刹那、空気を突き抜けるように白い線が幾つも浮かび上がり、そのままウサギへ直進して行った。

ウサギは回避する間もなく飛び掛かってくる銃弾を殆ど全て受け、血を噴き出しながら倒れた。

…またリュックを残して。


嬉々とリュックの中身を見ると、こちらは酒瓶に入った水が2瓶だけだった。

あれ?と思って周りを見てみると、地面に迷彩柄の袋が落ちていた。

なんだと思って広げて膨らませてみると、それは見事なテントと化した。迷彩柄の。


テント。野宿とは殆ど変わらないが、大きな違いが生まれる。

それは雨風を防げるか否かだ。

昨晩の生活であれば、雨でも降ろうものならすぐさまびしょ濡れ。中々にハードな聖地踏破になっていただろう。


俺は中身をまた収納袋の中にしまってから、さっさとまた歩き出した。

がしかし、ウサギが中々見つからない。

やはり無限に居るわけでは無いのだろうか。


そう思った刹那、こんな文字が表示された。

《聖地の主への挑戦条件が揃いました。

挑戦しますか?》


聖地の主?聖地突破の為のボスのようなものなのだろうか。だとしたら、一度挑戦してみたいものだ。


《挑戦を開始します》


え、これで挑戦扱いになるの?

そんな戸惑う俺を余所目に、視界は黒く染まった。


視界に映ったのは、先程とは違った草原。

空は曇り、地の草は少し高い湿っている。

そして、眼前には目が赤く俺と同じくらいの大きさのウサギ。チェフウサギと名付けよう。

ちなみに頬に星のマークがついている。

尚、今にも襲いかかってきそうな模様。


「ちょ、待とうな?な?」


そんな言葉を尻目に、長い爪を立て、可愛らしいはずの耳を尖らせ、威嚇してきている。

こんなときには…


「先制攻撃!」


と同時に、弾を撃ち切る覚悟で引き金を引いた。

数秒で発砲の音は消え、白い筋も空気に溶け始める。

見たところ、弾は頭と目、腹に命中した。

血こそドロドロと出ているが、まだチェフウサギの目には光があり、逆に怒っているように感じる。 


急いでリロードを行なってからもう一度斉射したものの、傷こそ付きど死には至らずにまだ立っている。


桁違いである。生存能力が。


『9銃弾創成・×19mmパラベラ…』


そこまで念じた刹那、身体がふわりと浮かんだ。

読んでくださり、有難う御座います。

感想、ブックマーク頂けると有難いです。

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