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亡国兵士は永遠に  作者: 窓際の箪笥
2章 アール世界
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26 初仕事

読んでくださり有難うございます。

森に踏み入れて分かったのだが、この森は最初に来た森のようだった。


その証拠と言うには足りないかもしれないが、やけに雰囲気が似ている。


やっぱり森の中は暗くて、心地良い朝の日差しを遮ってしまっている。


しかし、最初来たときと変わらず長閑なこんな森の中に、魔物が居たのか。


あの時何とも出会わなかったのは幸いだったようだ。

ただ、不安要素としては神秘の聖地の敵より強い可能性があることだな。


あれでも中々厳しかったのに、それ以上の強さとかもう目も当てられない。


おっと、そんなところで敵さんが見えた。


緑色の人型の生物。インファントリークラスの代表的な魔物は依頼受注のついでに教えてもらったが、ゴブリンという奴に似ている。


ゴブリンにも幾らか種類があり、こいつは普通のゴブリンだが集落に属していない、浮浪ゴブリンと言われる奴だろう。


その証拠に、集落ごとにある帽子をつけていない。


浮浪ゴブリンは仲間が殆どいないので、倒しても別に問題無いという。


奴は俺に気付いていないのか、腰を落ち着けて休憩を始めた。


殺るなら今しかない。


慎重に、気付かれぬように銃を構える。


こういう時、サイレンサー付きの銃があると便利なんだろうな。


そして引き金を引く。


銃弾は貫通しなかった。


いや、これが普通なんだ、今まで貫通できてた方がおかしいから。


血のような緑の液体を出して倒れる浮浪ゴブリン。


部位は耳や臓器がサイズ的にも望ましいだろうが、流石に臓器は嫌悪感が湧くので耳をナイフで切り取り、デアスから金を渡す時に貰った茶封筒に入れる。


いや、本当はもっとちゃんとした袋とか、入れ物に入れたいんだけど、いかんせんそんな物は無い。


今日の稼ぎにあまりが出たら、是非買いたいところだ。


さて、これで3000ルベア。


こんなんじゃ宿泊はできないし、あと3匹は狩りたい。

そうしてまた、魔物の捜索を開始したその時。


急に上が騒がしくなったと思うと、1羽の鳥が突進してきていた。


ギリギリで避けたものの、左肩を掠り、傷ができていた。


すぐさま腰撃ちで反撃したものの、左右に揺れつつ急上昇する敵には当たらず、そのまま宙を駆けていった。


こういう地対空の時は、遮蔽物に隠れるのが基本的。

咄嗟に近くにあった木の陰に隠れた。


これで1度リロードできると思い、リロードをした瞬間、木が燃え上がった。


上を見ると、口を開けたまま小さな火球を飛ばす奴。


「うそだろ…、対地で火使えるのかよ…。」


インファントリークラスの説明の中に、こんな奴は居なかった。


つまり、未確認の物かそれより上の魔物ということだ。


火が燃え移る前に急いで駆け出し、ブレブレの照準で敵を撃つ。


しかし、銃弾を撃った刹那に加速し避けられる。


ここまでの戦闘で、考えられる勝ち方は2つ。


1つ目が、ここから頑張って逃げる。


生存優先ならこれだろうが、帰ったところで金不足で野宿だろう。


なんなら、逃げ切れるという確証も無い。


2つ目、敵が攻撃体勢になって止まる、または一直線に突進して来る時に墜とす。


少しでも間違えれば死ぬというように、リスクはかなり高いが、多分これしか道は無いだろう。


そうと決まれば早速立ち止まり、敵が攻撃を仕掛けてくるまで銃を構える。


それを待っていたと言わんばかりに、超高速で突進してくる奴。


そしてその突進してくるコースに弾をバラまき、すぐに匍匐する。


俺には何も当たっていない。


つまり、回避には成功したわけだが、撃破はできただろうか。


急いで起き上がって背後を見ると、血を出して地に突っ伏しているあの鳥。


つまり、撃破。


インファントリークラスで無いのなら高値で売れるだろうし、敢えて解体せず持っていきたい。


できるだけ血を抜き、鳥の体を半分リュックに突っ込んでガランスベルクに向けて走り出した。


ちなみに余談だが、この森もかなり広くて、奥の方、つまり俺がほっぽり出された方までいくとガランスベルクから馬車で2日の距離程になるそうだ。


だから殆どの人はこういう近いところで狩りをするらしい。


もっとも、この森に来るのは初心者ぐらいらしいが。

冒険者ギルドガランスベルク支部に着くと陽は傾き始めており、少しずつ歓楽街も賑わい始めていた。


依頼達成受付も3Fの依頼受付でやるため、階段を登るわけだがあの鳥一匹抱えて登るのは少々足腰に来る。


金の為、宿の為と自分に言い聞かせてなんとか登りきり、依頼受付の受付嬢に話し掛ける。


「い、インファントリークラスの魔物を狩ってきたんだが…。」


そういって、鳥とゴブリンの耳を取り出す俺。


ようやっと重さから開放され、正直軽い。


「あの、グレゴールさん、このファイヤーバードはコーポラルクラスの魔物です。

依頼にありませんけど、買い取りましょうか?」


なぬ、こいつコーポラルクラスだったのか。


やけに強いかと思えば、そういうことか。


まぁ、持ってても困るし売ろう。


「ああ、買い取ってくれ。」


「ではゴブリンで3000、ファイヤーバードで10000、合計13000ルベアになりまして、こちらの茶封筒に13000ルベア、きっちり入れました。」


そういって、封筒の中身を見せてくる受付嬢。


しっかり封筒を受け取り、ギルドを出た。


にしても、あの鳥10000ルベアももらえるのか。


いや、手負いになったのも考えると、妥当か。


行かった方が良いだろうか、治療院。


13000ルベアでも、今日の生活は厳しそうだ。

読んでくださり、有難う御座います。

感想、ブックマーク頂けると有難いです。

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