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亡国兵士は永遠に  作者: 窓際の箪笥
2章 アール世界
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24 金と宿

読んでくださり、ありがとうございます。

「あれ、グレゴールさんじゃないですか。

どうかされたんですか?ザリニラさんに用が?」


俺がギルドに入って受付に行くまでの間にいつの間にか顔を上げて話しかけてくるデアス。


落ち着いて見ると、中々に特徴的な見た目をしている。


勿忘草色の胸程までの長い髪、少し青みがかかった黒いスーツと、その下に白いシャツ、そしてその間から覗かせているのはエメラルド色のネクタイ。


下はスーツとセットであろうズボンで、足を細く見せている。


THE・働く女性って感じだ。


いやただの制服の可能性もあるんだけど。


「あ、いや、別にザリニラ達に用は無いんだ。

ただ、金が無いんで依頼を受けに来た。」


別にやましいことでも無いんだし、愚直なまでに正直に答える。


「今からですか?

う〜ん、インファントリーが受けられる依頼はあとは袋鼠討伐ぐらいしかないですし、今から袋鼠が生息する沼地行くとなると到着の頃には日が暮れます、辞めておいた方がいいでしょう。

それに、お金でしたらザルクネルとの戦闘に対する褒賞が多少ありますよ。受け取ります?」


なんと。


ザルクネルとの戦闘、完全に負けてたのに報酬が出るのか。


良かったんだが悪かったんだがだな。


「受け取ろう。ちなみに幾らだ?」


そう、そこが問題だ。


ザリニラが200万ルベアで半年だから、1日は大体1万ルベアあれば生活出来そうだ。


今日の場合、朝以降飯を食べていないし、宿泊費と食費で、7000ルベア位もらえればいいんだが。


「えーっと、ちょっと待って下さい。計算します。

戦闘報酬が3000で、撃破アシスト報酬が5000、亜力解放を使わせ、捜索に協力したから2000、合計10000ルベアになって、治療費・蘇生費が今回は私がスキルでやったので通常価格から5割引の1500だからそれを引きまして。

8500ルベアになります。」


デアスの受付という名のデスクの上にあったタイプライターで、ササッと紙に書き起こして渡してくる。


「これが領収書です。今から現金と封筒、判子を持ってきますから、この椅子に座ってて下さい。」


そう言ったあと、デアスが何かボソボソと呟いた刹那、何処からともなく椅子が現れた。


さっきもスキルと言っていたから、スキル自体は別に特別では無いのだろうか。


椅子に俺が座ったのを確認すると、受付の後ろの壁にあるドアから奥へ出ていった。


案外座り心地の良いその椅子に座って5、6分程した頃、ちょっと高価そうな小箱と茶色の封筒、何かを包んだ空色の布を持ってきた。


受付の椅子に座り、小箱の中から判子を取り出す。

今見えた所では、小箱の中には長さの違う3つの判子と何か1本の針が入っていた。


判子を先程渡された書類に押し、茶封筒の中を2人で確認する。


1000と書いてある紙幣が8枚、100と書いてある紙幣が5枚で合計8500。


「金額に間違いはありませんね?」


確認したあとなのにも関わらず、しつこく聞いてくる。


まぁ、偶にいるんだろうな。まともに確認せず、ミスがあったらしつこくクレーム入れるやつとか。


「はい、では取引は終了です。

私は今から夕飯を食べますので。」


そう言って布の中から弁当を取り出し、一人で食べ始めるデアス。


なんというか、流石に受付嬢といった所だろうか。


食べ方も上品で、時々可愛い仕草を見せている。


人が飯を食べている所をジロジロ見るのも悪いので、さっさと立ち去るわけだが。


さて、今俺の手元には8500ルベアある。


まずは宿を探そう、飯を食べたらもう宿代が無くなったとか嫌だし、飯付きの宿があるかもしれない。


しかし。


良い宿が分からない。そもそも宿自体何処にあるかも一切分からない。


しかも日が暮れている為、少し離れた歓楽街に行かないとあまり人はいなさそうだ。


いやまてよ。


こういう時は女神に聞けばいいんじゃないか?


〘はい、宿屋ですね。

2食付で8500ルベアで1番近い所だと、ここから400m程のところにある、白の湖という宿屋が妥当でしょう。

今からナビゲーションいたします。〙


流石女神、頼りになる。


そして女神に言われるがまま行くと、ほんとにあった白の湖。


しかもぢ部屋は空いているらしい。


ちょっと店主のおばちゃん1は無骨だが、料理担当と言う名札のあるおばちゃん2はかなり愛想が良かった。


部屋に行く前に飯を食う。腹が減っては戦はできないからな。


戦する気は無いが。


青菜を炒めたものに、蒸した鶏肉のような物が6切れ程、少し味が薄いが具沢山のシチュー、白いフランスパンが1つというのが夕飯。


朝食は夕飯より色々劣るだろうが、8500ルベアでこれは良いのでは無いのだかろうか。


中々な味だった夕食のあとにお待ちかねなのが部屋。

子供の時からそうなのだが、宿屋や他人の家のベッドで寝るとなると少し興奮してしまうのだ。


今も、今すぐベッドに飛び込みたい。


そしてそのまま寝たい。


とりあえず荷物を床に起き、備え付けの洗面台から水筒に水を入れ、飲む。


そしてそのまま、ベッドに飛び込んだ。


ドスッ、という音と共に。

読んでくださり、有難う御座います。

感想、ブックマーク頂けると有難いです。

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