23 裏市脱出
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金があれば、行きのときのようにタクシーで行けるが
何分金が無い。
つまり、歩いて帰らねばならないのである。
まずは情報収集、ザルクネルの屋敷を出て、商人ではなさそうな出来ればチンピラっぽくないやつに道を尋ねたい。
お、居た。金髪青色のアーリア人のような19歳位の若者。
「すまん、出口って何処だ?」
聞こえてないのか、無視される。
「おーい。」
次は耳元で話しかけて見るが、まるで聞こえていない。
それどころか、暫く殆ど動いてすら居ない。
「あーあんちゃん、もしかして裏市初めてか?」
予想に反して声が聞こえたのは後ろ。
さらに老人の嗄れた声。
「その様子だと聞くまでも無いようだね。
今あんちゃんが必死に話しかけてるそのロボット、何か対価となるものを渡さないと何も答えてくれ無いよ。」
そうなのか、随分技術が進んでいるな。
「数十年前に天才技師のダスコル・ザウィーネが創り上げたシステムの1つさ。
もっとも、あまりに複雑かつ今残っている設計図にも再現出来ない部品等があってね。
量産は出来なかったから、ガランスベルクと各国の首都位にしか置いてないんだよ。
確かこれは3億ルベアくらいだったな。」
さ、3億…。
やはりここは大金が回っているのだろうな、この爺さんも軽々と言ってる。
「そうそう、儂は大体裏市に居るけど、分からない事があればギルドでガラン・アルケイメを呼び出してくれ。
そうしたら儂も行くさ、勿論報酬も貰うがな。」
やけに親切だと思ったら、やっぱりここは裏市。
ちゃっかり金儲けはしようとしている。
「じゃあ。」
そう言って奥の方に去っていくガラン老人。
んで、本題はこのロボットだったな。
対価、なぁ…、今金は無い。そうなると出せるのは…。
『銃弾創成・9×19mmパラベラム弾/20』
パラベラムをとりあえず20発渡す。
『価値充填率 80%』
そうロボットは急に言い出したが、今はそんなこと気にしていられない。
20で80%なら20%は5か。
『銃弾創成・9×19mmパラベラム弾/5』
そしてそれを手渡す。
『価値充填率 100%。
質問、要件をお答え下さい。』
お、動き出した。
動きは人間のようでとてもしなやかなのに、声だけは角があるな。
声までは再現できなかったのだろうか。
「裏市の出口まで案内して欲しい。」
場所を教えてもらうだけというのは何か損をした気分になるし、ついでに案内までしてもらおう。
『了解しました。私に追随して下さい。』
指示通り、ロボットが進むのについていく。
途中、色んな店があった。
酒屋、奴隷屋、食肉屋、刑務所的な何か、娼館等。
裏と言われる理由がわかった気がする。
そして、息づかいも荒くなった頃。
『到着しました。裏市出口です。』
そう言ってロボットが止まった。
入口とはまた違った場所だが、これまた螺旋階段が続いている。
『案内はここまでです。
ご利用ありがとうございました。』
そう言ってロボットは立ち去る。
まったく、天才技師ってのも金儲けが好きなんだな。
コツコツ、と恐らく大理石製の階段を登る。
途中から数えるのをやめたが、60段はあった。
膝が痛くなってきたが、光が見える。
もう少しの辛抱。
ギリギリ老体ではない身体に鞭を打ち、階段を登りきった。
1番上は部屋のような空間になっていて、扉がある。
扉を開ける。光がまた俺の目を刺す。
数秒で戻ったが。
しかし、ここは何処だろう。
そう思い周りを見回すと、遠くにギルドが見えた。
太陽は夕暮れとなりて、黄金色の視線を俺に向けている。
そうだ、夜までに金を手に入れないと宿にすら泊まれない。
さもないとリュックの中のテントと一緒に野宿になるぞ。
いや別に悪いわけでもないんだが。
そう思い、急いで俺はギルドへ向かった。
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