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亡国兵士は永遠に  作者: 窓際の箪笥
2章 アール世界
20/34

20 裏市

見つけてくださり有難うございます。

急いで冒険者ギルドの入り口にいくと、すでに2人は待っていた。


「おう、ザリニラ。ちょっと用事が長引いてな、遅くなった。」


ザリニラは別にこのくらい気にしないという雰囲気だが、ガルシアの方は少し苛ついているようだ。


沸点低いのかもしれない。


「あぁ、このくらいなら別にいいさ。

俺達だってさっき着いたばかりだからな。

それより…アンタ、治療院の方から来たが、大丈夫かい?」


ザリニラはここに良く来ているのか?


長く住んでる人並みの地理把握じゃないか。


ちょっと怖いぞ。


「いや、ちょっとな。」


まさに濁す言葉。


大体相手は察して引いてくれる。


「ああ、そうかい。

じゃあ合流したし行こうかね。」


そう言って踵を返すザリニラとガルシア。


ガルシアが憎らしげに呟く。


「取引場所は裏市だ。

初見には入り口は殆ど分からないと言っていいから、ついてこい。」


裏市ねぇ…。


やっぱこっちにもブラックなものはあるのか。


全員がザリニラみたくお人好しってわけじゃ無いんだな。


俺ら一行が立ち止まったのは、街の硝子工芸店。


まさかここが裏市の入り口だとでも言うのか?


「ザリニラだ。ザルクネルの呼び出しで来た。」


そうザリニラが店主に話しかけると、店主はすぐにガラス製のワイングラスを持ってきた。


「ウェルカムコードを。」


そう言った刹那、ワイングラスが禍々しい赤色に染まる。


何か圧が増えた。気圧されるような。


これくらいなら我慢できるが。


「6128972lfpxwubヴェールスフェーア」


そうザリニラが言った刹那、ワイングラスの赤色は空気中に飛び出し、やがて1つの形に纏まった。


深紅の鍵だった。


「そちらのお手洗いの奥にある、硝子保管室へ入り、右奥の扉を開けて下さい。

そうすれば闇市に入ることができます。

HL区域へはHL行きのタクシーを使うと良いでしょう。なにせあそこは迷宮ですから。」


その言葉を聞いたザリニラとガルシアはゆっくり歩き出す。


トイレを横切り、硝子保管室へ。


硝子保管室という名なのにも関わらず硝子が1つも無いのは硝子保管室という名目の入り口だからか。


右奥の扉、といっても扉は入り口とここ以外無さそうだ。


扉を引くと、暗い煉瓦製の階段。


奥が見えないほど深い。


ふと、ザリニラの顔を見る。


緊張した顔だ。


いや、それはそうだろう。なんてたって子供が誘拐されたんだからな。


正常で居られる方がおかしいというものだ。


そうだ、今のうちにリロードしておこう。


流石に音が聞こえたのか、2人にチラリと見られた が、なんだ武器かとすぐ前を向いた。


少しずつ、奥の暗がりが無くなっていく。


さらに降りていくと、暗がりは明るい光となり俺達の道を照らした。


「もうすぐで裏市だ。」


そうガルシアに言われ、少し身構えながら階段を降りていく。


しかし裏市というのは予想に反して、実に賑やかなものだった。


眩い程の光、騒々しく煩い歓声。


裏市と聞く限り、何か暗く色褪せたイメージだったのだが、全く逆だ。


「おいグレゴール。裏市も初めてなのかもしれんが、今回の目的はあくまで誘拐犯との交渉だ。」


自分では気付かないうちにキョロキョロしていたのか、ザリニラが苦言を呈してきた。


「へい、タクシー!」


ガルシアがそう叫ぶと何処からともなく湧き出てくる馬車。


「どこまでだい?あんちゃん。」


馬車の中から乗り出しながら聞くおっちゃん。


「ザルクネルのとこだ。」


とザリニラが答えると同時に銀貨を差し出すと、馬車にのり、がたがた揺られながら座ることになった。


少しすると馬車は止まり、ザルクネルの奴隷館だよとおっちゃんに言われて降りる。


やってることにそぐわない白美で遊雅な建物。


闇市の空気には合わない豪邸だ。


「行くぞ」


というザリニラの掛け声と共に俺達は扉を開けた。

読んでくださり、有難う御座います。

感想、ブックマーク頂けると有難いです。 

いやはや、いつの間にか20話になり、PVも1000くらいになったようで。

10000行ったらあらすじに載せようかな。

これからもよろしく。

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