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亡国兵士は永遠に  作者: 窓際の箪笥
2章 アール世界
17/34

17 冒険者ギルド

見つけてくださり有難うございます。

「その様子から見ると、グレゴールは初めてか?ガランスベルクは。」


瞬きもせずあまりに見つめていたためか、ザリニラさんは苦笑しながら聞いてくる。


「ああ、生憎機会が無くてな。そうなんだ。」


こちらも苦笑しながら答える。


ついでに頭も掻いておこうか。


「まぁ、ガランスベルクはかなりの観光地だ。金は渡せんから、自分の持っている金で楽しむといい。」


いや、俺金持ってないんだが。


何処かで稼げるのだろうか。地図と情報さえあれば…

とはいえ、ここでザリニラさんに聞くわけにはいかない。


流石にそれだと怪しまれるし、なんか申し訳無いからな。


教えてくれないか?女神。


〘そう仰るのであれば、教えましょう。〙


ナイス女神だ。よく来てくれた。


〘金を稼ぐ方法はいくつかあります。以下の通りです。

1.何らかの店を開く

2.どこかの店などに労働者として従事する

3.冒険者になり、物を採集したりモンスターを狩る

この中で最も効率がいいのは3ですが、危険性が高いです。

それに対し、2は効率が悪いかつ纏まった資金を得るのに時間がかかりますが、基本的に命を失うようなことはないでしょう。〙


なるほど、ご丁寧に解説ありがとう。


ちなみに、冒険者になるとしたら、どうしたらいいんだ?


〘各町、たまに大きな村にもある冒険者総合統括協会、俗に言う冒険者ギルドにて申請を行い、認定試験に合格することで認可されます。〙


ほう。ちなみにこのガランスベルクにもあるのか?それ。


〘あります。〙


そうとなれば今日の予定は決まりだな。


検問の列に並び待っている間に、ザリニラに告げておく。


「ザリニラ、俺はちょっと冒険者ギルドに寄りたいんだが、別行動にできないか?」


冒険者だったのか、ちょっと予想外、という顔を見せつつ許可を出してくれた。


そして、検問の列は進み、ついに俺達の番がやってきた。


「ザリニラ一行だ。護衛達は盗賊にやられた。」


そう言いつつエメラルド色に光る石と、それが嵌め込まれている大理石の様なものでできた型を見せる。


「2級通行証は無くして無かったんだな。

はい、通りな。」


検問の衛兵はザリニラと知り合いなのか、軽口を叩きながら門を通してくれる。


と、城壁以上に美しいガラスの町並みが目に入る。


「朝だから朝日が通って綺麗だが、夜は夜で綺麗だぞ。

特に、ガランスベルク一の高さを誇るラーガン塔とかから眺める夜景とかな。」


少し得意気にガランスベルクの良さを語るザリニラ。


「さて、ここから先は別行動だ。迷わないように気をつけろよ。

夕方に冒険者ギルドに集合ってことで。」


夕方って少し曖昧だな。


時計はそこまでメジャーじゃないのかもしれない。


「了解した。」


ということでまずは冒険者ギルドに行こう。


勿論、どこにあるのかはわからないので道行く人に聞きながらだが。


長い耳と白い髪の若い青年や、金髪の老婆などから道を訪ね、辿り着いたは『冒険者総合統括協会 ガランスベルク支部』。


身長より2回りほど大きな木の扉を開けると、広がるのはまるで貴族の家のエントランス。


その中央奥に受付があり、至る所にガラス製の机がある。


厳粛さに少し恐縮しつつ、ゆっくり受付へ歩みを進める。


受付嬢は黒い髪でメガネを着けている。


顔立ちは整っているが、少し立っている髪がそれを台無しにしている感触。


「冒険者になりたいんだが。」


そう言うと、何かじっと見つめていた書類から目を離し、慌てたように喋り始めた。


「あっ!いらっしゃったんですね。

申し訳ありません。書類作業をしておりまして…」


丁寧な謝罪と共に頭を下げる受付嬢。


礼節はしっかり弁えている点から、この組織の信用度もうかがえる。


「で、冒険者申請ですね。

こちらの書類に色々記述して、提出していただければ認定試験に進むことができます。」


そう笑顔で手渡された書類に目を通してみる。


氏名、得意分野(魔法を含む場合は属性まで)、住所(ある方のみ)、あとは規約に同意するかというのを問うているようだ。


別に嘘をつく必要もないので正直に答える。


得意分野は射撃にした。通じるかは知らない。


スッと差し出すと受付嬢はこれまた笑顔で受け取り、確認の動作に入った。


「グレゴールさん、ですね。

射撃が得意分野、遠距離職さんでしょうか?」


銃は遠距離武器とるから遠距離職だろうか。


「ああ、そんなところだ。」


そう答えると満足気に受付嬢は答える。


「はい、受理しました。グレゴールさんから見て左側にある階段から3階に上がっていただくと、認定試験会場です。

合格されますと詳しい冒険者のシステムについて説明致しますので、どうぞ奮って受験して下さい。」


その言葉を聞き終え階段に向かうと、受付嬢はまた難しげな顔で書類を睨んでいる。


大変なんだな、受付嬢も。


3階、3階…


1分もせず辿り着いた3階は、これまたガラスばかりの階だ。


認定試験会場、と書いた部屋の前に来る。


少し緊張してきたな。


勇気を出して、その曇ったガラスの扉を開けた。

読んでくださり、有難う御座います。

感想、ブックマーク頂けると有難いです。

今日は頑張って2000文字にしました。

如何だったでしょうか、文字数に何かご意見ございましたら感想か誤字報告などでお伝えください。

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