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亡国兵士は永遠に  作者: 窓際の箪笥
2章 アール世界
14/34

14 盗賊退治

見つけてくださり有難うございます。

昨日今日は余裕が有るので連続投稿しました。

是非、楽しんでいって下さい。

普通に考えて、一人で彷徨うというのは愚の骨頂だろう。


つまり、だ。 


「俺は村へ行く!」


そう叫んだが吉日。草むらを掻き分け、時には石を踏んで転げかけたが、ずっと直進し続けた。 


結果。


「おお!」


突然木々が晴れ、ほぐされてもいない硬い日光が俺を刺す。

先程まで少し暗いところに居たからか、森の外に出た刹那、非常に眩しい。


その輝きも少しずつ収まって来ると、奥の方で何かが見えてくる。


あれは…


「人工の道だ!」


日光に光る石畳の道が遠くに薄っすら映る。


つまり、あれに沿って歩いていけば絶対に街か村へ行くことができるのだ。


胸を踊らせつつ、駆け足で道へ向かう。


道に足を踏み入れた時、背の方から酷い金属音やうめき声が聞こえることに気付いた。


怪訝な顔を貼り付けたまま、後ろを振り向く。


その刹那、飛び込んだ。

馬車とその乗員とそれを襲う何者かの戦闘が。


俺が見るに、情勢は馬車側がかなり劣勢。

助太刀が必要な状況だろう。


さて…どうする。


正直、銃を持っているとはいえ確実に勝利出来るわけでは無い。


それに、この世界の事も知らないのに面倒事になるのは避けたい。


しかし、此処で助太刀に入れば何者かに恩を売ることができる。


どうするべきか。


また1人、馬車側の人間が死んだ。


残りは4人。内1人は恐怖に怯えたのか、声にならない助けを求めている。


…助太刀に入ろう。


狙撃をこの距離でする、というのは俺には出来ない事の為、近付くためにも駆け出す。


俺の50m走の記録は7.8秒、つまり前線には45秒程度で到着する。


本来はこの駆けている時点で銃を撃ちたいのだが、何分誤射の可能性があるのでできない。


息を切らしつつ、戦闘場にやって来た時には馬車側の人は2人、対して襲っている側は7人となっていた。


「これでも喰らえ!」


そう声を上げ、勿論誤射がないようにしっかり狙いをつけてから銃を撃つ。勿論敵に、だが。


1秒もせず、吹き出す血。


斃れ際に見た顔は驚愕に染まっていた。


「な、なんだお前!」


敵の1人がそう声をあげると、殆どの敵の視線がこちらに向かう。


この間にリロードをしつつ、敵に問いかける。


「大人しく此処で白旗でも上げて投降しろ。

さすればこいつで殺すことだけは辞めてやろう。」


問いかけると言っても、脅しとブラフを混ぜつつ、できるだけドスを入れた声で、だが。


「と、投降なんてするもんか!

おいお前ら!新しい敵は1人だ!数で蹴散ら…」


その次の言葉を発する前に奴は血飛沫をあげて死んだ。


「投降しないのなら、お前らを殺るまでだ。」


隙を見せないよう、素早くリロードしてまた銃を構える。


そうだ、ここは1つ、もっと怖がらせてやろう。


足に体重をかけつつ、一歩一歩できるだけ足音を出しながら近付く。


結構な至近距離だが、敵は怯えきっている為攻撃してこない。


顎に銃口を当て、引き金を少し押す。


血塗れになった顔が、身体と共に力無く地面に落ちる。


死亡、だな。


「に、逃げろーー!」


敵はそう叫ぶと共に森の方に駆け出す。


ほう。彼奴らは森に拠点を構えていたか。


本当はもっと情報を得たいが、今回は面倒だし、殺しておこう。


銃を乱射したことにより、彼等は地に伏す。


「そのまま地面にキスでもしながら死にな!」


そう言葉を吐いて、いつのまにか馬車に入っていた人に近付く。


勿論、MP40にセーフティなんて物は無いので銃を背に背負う事で脅威ではない、と示すしか無い。


「おい!そこの2人!怪我は無いか?

といっても、医療品なんて持って無いんだがな。」


ちょっと口調を軟化させて問う。


「黙れ新手の盗賊!

お前らの様な下賤な奴らにこの馬車には触れさせんぞ!」


変な勘違いをされているようだ。

読んでくださり、ありがとう御座います。

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