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お母さんの声
「勝手にのんちゃんを切ってごめんね。お母さんには直接病気のことを伝えられる勇気がなかったの。お母さんもしかしたら死んでしまうかもしれない。そんなことになったら、お別れになる。すごく寂しくて考えたくなかったの。でももしもお母さんが死んでしまったら、という時のために、ここに言葉を残します。お母さんはあなたのことが大好きです。あなたがものを大切にしてくれる子に育ったことがとても嬉しい。お母さんがいなくなっても、きっとあなたなら周囲の人をものを大事にするから皆が助けてくれる。どうか幸せに。またね。」
私は大きな声で泣き叫びました。お母さんがのんちゃんを切ったわけ。
それはお母さんの声を残すためでした。
それから私はお母さんの言うように、ものや人を大切にするようにしています。
のんちゃんは今も私の椅子の上で、私をお母さんのように見守ってくれているようです。