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のんちゃん  作者: 藤花チヱリ
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お母さんの病気と死

それから数日後、お母さんは大きな荷物を持って家を出て行ってしまいました。


不思議に思った私は、その訳をお父さんに尋ねると、お母さんは「がん」という大きな病気を患っていて、今日から突然入院することになったということでした。突然のことに驚いた私は、お母さんが近くにいないことを寂しいと思いました。ここ数日口を利かなかったことを後悔した私は、お母さんが帰ってきたら、ちゃんと謝るつもりでした。


ところが2日後の夜、お父さんにたたき起こされた私はお父さんに急かされ、車に乗り込みました。着いた先は病院でした。

猛スピードで走るお父さんに抱えられ、たどり着いた先にいたのは、この間見たときよりもよわよわしいお母さんの姿でした。お父さんとお母さんは何か話をしており、二人とも泣いていました。ふと母が私の方を向いて私を手招きしました。

近づくと、お母さんは言いました。


「この前はごめんね。お母さん、もうお空にいかなくちゃいけないから。ごめんね。」


その後は何があったかは覚えていません。お母さんの顔は白い布で覆われて、みんな泣いていました。

いつもと違う空気と寂しさから私は自然と手に持っていたのんちゃんを強く抱きしめました。


そのときです。


「聞こえますか?」

のんちゃんがしゃべりだしたのです。


「病気のこと、なかなか言えなくてごめんね。かわりにのんちゃんから伝えてもらおうと思います。」

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