第三十八話 裏目的
「ありがと、はーくん。私も同じ気持ちよ」
みどりさんは遥人さんに駆け寄り抱きついた。
二人共嬉しそう。私はこんなことをしてしまったけど、二人が元通りになってよかった。
「はるか、僕はみどりと戻っているよ。はるかはどうする?」
遥人さんが聞いて来た。
「もう少しだけここに居るよ」
私は二人に向かって答える。
「分かった」
遥人さんはそう言いみどりさんと基地へと戻っていった。
・・・。
「ねぇ、こそこそと隠れてないで出てきたら?」
私は誰も居ないのにそう言った。
その時、瓦礫の横から誰かが出てきた。
どうせ、今回も奴らね。
「はるか、お前分かっているのか?お前の裏の目的は」
一人の男が近づいてくる。
「ええ、分かっています。少し時間がかかるだけ。
私は正義のヒロインでは無いから」
私は男に向かって答える。
「子供だろうと裏切れば容赦はしない。分かっているな、厄野によってお前の姉が失われた以上お前には頑張ってもらわないとな」
男は私の肩に手を置く。
「正吾さんたちには危害は加えないのよね?」
私は男に聞く。
「ああ、お前が成果を見せてくれたらの話だ。
それと、後ろを見てみろ」
男が言う。
「え?」
私は振り返るとそこにはマナちゃんが居た。
「悪の会議ですか?」
マナちゃんが言う。
「そうだ、お前は確か厄野雅功の部下だったな。
どうする?お前もこちらに入るならありがたいが」
男はマナちゃんに向かって言う。
「厄野は死んだし、いいよ。その代わり、ちゃんと物資とかは送ってよね。
私達は侵略ロボ、スカル族って奴らを潰すから」
マナちゃんは男に向かって言った。
「もちろんだ。我々の計画を邪魔する奴らは誰であろうと滅するだけだからな。
その代わり、お前の兄や他の仲間がお前たちの行動がバレたら、即殺せよな。
我々に危害が大きくなる前にな?」
男はそう私達に言う。
「はい、分かっています。その目的が達成されたら私達は平和に暮らしていいってことですよね。
あなたたちのグループから抜けますから」
私は男に向かって言った。
「それは構わんが、必ず光る青い石を集めるんだぞ。
厄野の部下が持っているだろう、それを取ってこい。
もちろん報酬はある。それにお前たちの未来もな。
失敗すれば分かっているが女としての恥じらいをしてもらうからな」
男はそう言い立ち去った。
「・・・、マナちゃん。いいの、あいつらのグループに入って」
私が聞く。
「はるかさんだって入っているんでしょ、あの男とは少し前から連絡を寄越してきていたからね。
はるかさんは目的、怖くないの?」
マナちゃんが聞く。
「怖いよ。でも、それで平和になるって言うなら私はやるだけ。
私の歯止めが効かなかったときは止めてねマナちゃん」
私はマナちゃんに向かって言う。
「いいよ、私がまた止めてあげるから」
マナちゃんは私の手を繋ぎ二人で基地に戻った。




