第二十九話 考え方と目的
翌日
「うーん。よく寝た」
私はむくりと起きる。横にはマナちゃんが寝ていた。
マナちゃん少し寝かしておこう。
私はマナちゃんを起こさないようにベッドから出て、近くにある服に着替えた。
みんな起きてるのかな?
私は扉を開けて部屋から出た。
「・・・」
私はいつもどおり中央の部屋に向かった。
扉を開けると、葵さんが居た。
「おはようございます葵さん」
私は声をかける。
葵さんはくるっとこちらを向き
「おはよう、はるかちゃん。昨日はゆっくり眠れた?」
葵さんが聞いてくる。
「はい。もうぐっすりと」
私はそう答えた。
「皆さんは?」
私が聞いた。
「遥人さんはハルカの整備、冬也さんは警備だよ。
正吾さんは寝ているけどね」
葵さんはそう言った。
正吾さん寝てる・・・正吾さんらしい。
私は席に座る。
窓からは朝日が私を照らす、少し風が吹くので少し肌寒いが全然平気。
後ろの扉が開き、マナちゃんが入ってきた。
「おはよう、葵さん、はるかちゃん」
マナちゃんが私達に言った。
「おはよう、マナちゃん」
私はマナちゃんに向かって言った。
「マナちゃんも席に座って、ご飯用意するから」
葵さんはそう言い調理場に向かった。
「ねぇ、もしもクローンだったらどうするの?」
マナちゃんが突然聞いてきた。
「え、えっと。クローンだとしてもお姉ちゃんはお姉ちゃんだと信じたい。
あれが別の誰かなら私は容赦なく行くつもり」
私はマナちゃんに言った。
「ほんとに?見た目はお姉ちゃん何だよね。躊躇無く出来るの?」
マナちゃんが聞いてきた。
私は何も言えなかった。確かに見た目はお姉ちゃん、大好きな人をこの手で殺るのは確かに勇気と覚悟がいる。
「無理だったら今はそんなことは考えないほうがいいよ。
いずれ、また出会うことになると思うし」
マナちゃんは私に向かって言った。
「分かった。考えないようにするよ、その時が来るまでは」
私はそう答える。
その後、私達は葵さんが作った朝ごはんを食べる。
普通のご飯に、肉巻き。一般的だけど、今の私達からしたら、高級。
「どう、味のほどは?」
葵さんが聞いてきた。
「美味しいですよ。満足です」
私とマナちゃんは葵さんに向って答える。
「そう、それなら良かった。私は色々と片付けしてくるね。食器はそこに置いといていいから」
葵さんはそう答え、調理場に戻った。
「はるかちゃんはロボに乗ってる時どんなこと考えてる?」
マナちゃんが聞いてきた。
「倒す事かな?地球を侵略なんてさせないって考えてる」
私はマナちゃんに言った。
「そう、私はなんの為に戦ってるのかなって考えているの。
侵略ロボを沢山倒してる、けどそれになんの意味があるのかなって。
倒して、倒して、倒しまくって何か掴めた?何か分かった?ってね」
マナちゃんはそう答える。
「何のためって地球を守るためじゃないの?」
私は聞いた。
「でも、もうこの地球もボロボロだよ。それにもし、この侵略ロボを倒したとしても、次何するの?平和になったからって、他の人達は生き返らないよ。
それでも、前に進むの?お姉ちゃんの偽物かもしれない敵が来たときは?
殺せる?侵略ロボの様に。私は多分だけど、殺せないと思うよ。
だってはるか優しすぎるもん」
マナちゃんは私に向かって言った。
確かに、この地球はもう終わり。世界でも侵略ロボが街を壊滅させているのかもしれない。
日本を救ってどうするの?世界から侵略ロボが来たときは?
私達で対処出来る?
「そう・だね。私は優しすぎるね」
私はそう答える。
「でもね、お兄ちゃんが戦っている以上私はお兄ちゃんと一緒に戦うつもり。
何も目的が無くてもね。一緒に居られる、ただそれだけだとしてもね」
マナちゃんはそう言い立ち上がる。
「ごちそうさま、私は部屋に戻るね」
マナちゃんはそう答え、部屋から出た。
目的が無くてもか、私はうぐっ!
急に胸が。はぁ、はぁ。何?
「はるか、お前さんはロボの反動が今来たみたいだな」
後ろを振り向くと冬也さんと若い男の人がいた。
反動?
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