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機動ロボ、ハルカ 果てなき遥か先へ  作者: 花冠椛
ロボの出会いと出会う者たち
29/65

第二十八話 可能性

数時間後



 「うぅ。う~ん」

私はゆっくりと目を覚ます。


 「あれ?ここは?」

私は辺りを見渡すと少し思い出した。ここは休憩所の病室みたいなものだ。




 「あ、起きた。はるか大丈夫?」

マナちゃんが声をかける。




 「マナちゃん。マナちゃんが言ってた部下、その中に知ってる人が居た。




 「そう、誰?」

マナちゃんが聞いた。





 「私のお姉ちゃん」

私はそう答える。




 「・・・、ほんと?」

マナちゃんが聞いた。



 「うん。お姉ちゃんは亡くなったってみんな言ってたのに。

 みんなは嘘をついていたの?」

 私がマナちゃんの方を見る。




 「嘘じゃないよ。葵さんも、冬也さんも遥人さん、お兄ちゃんだって見ていたんだよ。

 どうやら、あの厄野雅功には何かとんでもない技術か、それかはたまた何かやばいものでもあるような気がするの」

 マナちゃんはそう答えた。




 「でも、私見たんだよ。お姉ちゃんをあの、生きている頃のお姉ちゃんを」

私は涙目になる。





 「知ってる。もしかしたら、クローンって可能性もあるよ」

 マナちゃんはそう答える。



 「クローン?」

私は知らない言葉にうん?となる。




 「クローンっていうのは、自分をもう一人作って、そいつらをクローンっていうの。

 まぁ、自分が二人いるってこと」

 マナちゃんはそう答える。




 「じゃあ、あのお姉ちゃんはクローンってこと?

え?じゃあ!マナはクローンってこと?」

 私はそう答える。





 「分からない、けどその線が一番可能性があると思う。

 私は、クローンだとしてもお兄ちゃんの妹だから。

 私は、またお兄ちゃんに会えて良かったと思ってるよ」

 マナちゃんはそう言った。




 「お姉ちゃんはそんな感じじゃなかった。あの目、怖かった。

 あれは本当にお姉ちゃんなのかな?もし、また来たらどうしよう。

 撃てる?殺れる?怖い・こわ・!」

マナちゃんが私を抱きしめた。




 「怖いのは当たり前。私もお兄ちゃんと戦ったときは、怖かったよ。

 お兄ちゃんを殺るの?倒せるの?って。

 でもね、お兄ちゃんは私に本気を出さなかった。私を助けるために、大切な石も相手に渡すなんてね。

 私の事をここまで思ってくれる人がいるんだなって。

 私は、これからはお兄ちゃんと共にだから」

マナちゃんはそう答える。





 戦いの中で考えが変わると良いけど。




 「少し落ち着いたよ。ありがとマナちゃん」

私は笑顔で言った。



 「一緒に寝ていい?」

マナちゃんが聞いてくる。





 「いいよ。一緒に寝よう」

私はマナちゃんを布団の中に誘い、一緒に眠った。


 マナちゃんの温かい肌とぬくもり。私もお姉ちゃんと寝たときはこんな感じだった。


 あれがお姉ちゃんなら私は、お姉ちゃんを・・・。





数時間後



 「あれ、二人共寝てる」

様子を見に来た遥人さんが言う。




 「あれれ、二人共すやすや寝てる。

 かわいい」

葵さんはニッコリと微笑む。



 「それで、はるかは何に襲われたんだ?」

冬也さんが聞く。




 「それは本人から聞いたら?私もこっそり聞いていたけど、あまり聞こえなかったわ。

 本人から聞いたほうがもっと分かりやすいしね」

葵さんはそう答える。



 「夜明けまで少しありますね。どうします?寝ますか?」

 若い男の人が聞いた。



 「正吾の様に寝てもいいが、いつ侵略ロボが来るか分からんから、わしは起きておく。お前も起きとくんだな」

 冬也さんは若い男にいい部屋を出た。


 「ちょっと、僕も少し眠たいのに」

若い男はそう答え冬也さんの後を追いかけた。




 「私も起きておこうかな。朝ごはんを作らないといけないし」

 葵さんはそう答えた。


 「僕も、ハルカロボの修理があるから寝れないよ」

 遥人さんはそう答え、部屋を出た。



 「ゆっくり休んでね」

葵さんはそう言い、部屋の電気を消し、扉を閉めた。


ガチャ

コメントよろしく。

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