第二十七話 闇にまぎれて
私は近くの椅子に座り少し考える。
厄野雅功は本当は悪い人じゃないのかも。奥さんを殺された恨みでなのかも。
私だって、あんたにお姉ちゃんを殺されたんだ。憎しみがあらふれそうだけど、そんなんじゃきっと悲しむよね。
数時間後、
みんなが戻ってきた。
「ただいま、はるか」
正吾さんがマナちゃんと一緒に降りてきた。
「おかえり二人共。侵略ロボは倒せた?」
私が二人に聞く。
「ああ。沢山倒したぞ」
正吾さんは私に向かって嬉しそうな顔で言った。
正吾さんのロボの後ろには沢山の侵略ロボの残骸が。
「はるかは葵さんと何してた?」
冬也さんが聞いてきた。
「雑談。私はその後基地内の探検」
私はそう答える。
「そうか」
そう言い冬也さんは基地内に入っていった。
「あれでも、心配してくれてるんじゃない?」
マナちゃんが私に向かって言った。
「そうだよね。葵さんが料理を用意してくれている思うし、食べてきなよ」
私はそう二人に言った。
「はるかは?」
正吾さんが聞く。
「後で食べるよ」
私はそう答える。
「そうか、なら直ぐにでも食べにきなよ」
正吾さんはそう言い、マナちゃんを連れて食堂へ向かった。
そして、外には私だけ。
「・・・。出てきなよ」
私はそう言った。
すると、建物の陰から一人の男が。こちらに銃を向けている。
「お前は古川はるかだよな」
男はそう言った。
「そうだけど、何?私を殺しにでも来たの?厄野雅功さん」
私はそう言った。
「いや、殺すつもりはない。勧誘しにきたって事だ。
どうだ?俺様の仲間になるつもりはないか?」
厄野雅功は私を仲間に入れようと考えているようだ。
「誰があんたなんかの仲間になるわけ無いでしょ。
罪なき人を殺したんだ、それに私のお姉ちゃんも!」
私は怒りを抑えながら言った。
「そう怒るな、あのときは悪かったよ。だが、お前は少し周りを見てなさすぎだ」
厄野が言うと建物の陰から何人かの人が。
「だれ、こいつら?」
私が聞く。
「俺様の仲間だ、中々の強さだぞ。古川はるか、お前に逃げ場は無い。
仲間にならないと死ぬぞ」
厄野はそう私に言った。
そう言えばマナちゃんが言っていたやつらね。
「仲間になったら、人を殺らなきゃならないんでしょ?」
私が聞く。
「ああ、その通りだ。嫌か?」
厄野は聞く。
「ふっ。ふふ、嫌に決まってるでしょ、あんたの仲間になるくらいなら死んだほうがマシ。
下僕ににも部下にもならないから」
私はそう答える。
「そうか、じゃあ姉に殺されるがいい」
厄野はそう言うと、厄野の後ろから私が知っている人物が出てきた。
「お姉ちゃん・・・。え?どうして?なんで?」
そう私のお姉ちゃんだ。
お姉ちゃんは亡くなったって。
「そんな驚いてどうしたの?はるか、仲間にならないから殺るね。
さよなら」
パン!
一発の銃声がなった。
バタリ。
私はお腹を撃たれ地面に倒れる。
「おい!何だ!どうした!」
みんなが基地内から出てきた。
「ずらかるぞ!」
厄野とその仲間そして、お姉ちゃんは闇に姿を消した。
「くっ!はぁ・はぁ」
血を抑えないと。
「は、はるかちゃん!」
マナちゃんは驚き、
「はるかを運べー!」
正吾さんは私を優しく担ぎ基地内に入った。
お姉ちゃん、死んだんじゃなかったの?何が起きて。
そして私の意識はプツリと途絶える。
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