第十三話 話したくない事
私達は冬也さんについて行き、ロボから降りた。
ここはパプル基地と言う名前で、冬也さんともうひとりの操作者と何名かの避難者がいるそうだ。
「俺たちはたまたまこのロボを見つけて乗ったわけだ。
紫色だから、パープルワンって名前を付けたわけだ」
冬也さんは歩きながら私達に向かって言った。
紫色のロボも居るのね。案外青や赤も居そうだけど。
「へぇ~っ俺も名前つけたほうがいいかな。何がいいだろう」
正吾さんはそうつぶやく。
「イエロースナイパーとかはどう?」
私がそう正吾さんに向かって言った。
「イエロースナイパーか、うーん、あ!そうだ!マナイパーにしよう」
正吾さんはそう私達に向かって言った。
「マナイパー?それはどういう意味?」
葵さんが正吾さんに聞いてくる。
「妹の名前はマナって名前なんだ。それで妹のマナとスナイパーのイパーを取ってマナイパーだぜ」
正吾さんはそう私達に言った。
「何だか正吾さんに合っていますね。それで、はるかさんも名前つけてるんですか?」
遥人さんが私に聞いてきた。
「わ、私!?」
突然急にふられるので、
うーん、なにかないだろうか。うーんとそうだな。
「機動ロボハルカ」
私はそうつぶやく。
「キドウロボハルカ?」
お姉ちゃんが私の方を向く。
「うん。私と同じ名前、ハルカ。遥か彼方先まで進めって思ってね。
変かな?」
私はみんなの方を見る。
「いや、変じゃないぞ。自分と同じ名前をつけるパイロットもおるぞ。
自分の名前を誇りに思っとるやつとかは特にな」
冬也さんがそう私に向かって言った。
「そうですね。冬也さんの仲間はそういう人が多かったですもんね」
若い男が冬也さんに向かって言った。
「そう持ち上げるな。俺はそういうのは好きじゃない」
冬也さんはそう答える。
私達は冬也さんの後を進んでいき、ある開けたところにつくと何人もの人が。
「これってもしかして避難してきた人?」
私が冬也さんに向かって言った。
「そうだ。このパプル基地に逃げてきた者たちだ。あんたたちが来る前はここで一人で食い止めていた。
中々ヘビーだったよ」
冬也さんはそう答える。
「そうですか、私達もここに来る前に緑のロボに会いました。
けど、何処かに行っちゃいましたけどね。それと敵だと思うやつにも出会いました。
たしか、骸骨の頭の者です何か知っていますか?」
私は今まで合ったことを冬也さんに向かって言った。
「なるほど骸骨の頭の者か。見たことは無いが侵略者であることは間違いないな。
他に何かあったか?」
冬也さんが私に聞いてきた。
「・・・・」
私は黙る。
父のことは言いたくない。敵なんて信じたくない。
「まだなにかありそうだが、言いたくなったら言え。
その情報がこの先の未来に響くかもしれんからな」
冬也さんはそう言い、奥の部屋に向かって言った。
「・・・」
私は何も言わない。
「ごめんなさいねはるかさん。冬也さんは何と言うかこういう性格なんで。
僕は、お茶を用意してきますね」
若い男の人は近くにある扉に向かって言った。
「はるか、少し休憩しよう。父は完全に敵になったとは私は思わない。
きっと元に戻る方法があるはずだよ。だから、今はね」
お姉ちゃんはそう答える。
「うん。分かった」
私達は近くの窓際の床に座り休憩をする。
私は、迷いばかり。あの時見たじゃん父を。あれは敵だ。
そして、私は疲れなのか眠くなり始めた。
「眠たいなら寝ていいよ。お姉ちゃんが側に居てあげるから」
お姉ちゃんは優しい顔で私を見つめる。
「うん。じゃあおやすみお姉ちゃん」
私は静かにお姉ちゃんにもたれかかる。
暖かい、お姉ちゃんのぬくもりは。
そして私は安らぎの眠りへと誘われたのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・るか!」
誰かに呼ばれている。
「はる・!」
うーん、私は。
「はるか!」
私は目を覚ます。はっきりとわかるお姉ちゃんの声!
「ど、どうしたの?!敵襲!?」
私は辺りを見渡す。
しかし、特に侵略ロボも居らず正吾さんも遥人さんも寝ている。
「どうしたのお姉ちゃん」
私は眠い目を開ける。
「うなされていたからね。どんな夢を見ていたの?」
お姉ちゃんが私に聞いてきた。
「うーん、覚えてないや。それにしても、ここは安全なのかな?」
私は笑顔でお姉ちゃんに向かって言った。
「さぁ、わかんないけど前の基地よりは安全なんじゃない?」
お姉ちゃんはそう言う。
「だと私も思うよ。私、少し眠いからまた眠るよ」
私はそう言い目をつぶる。
「うん。おやすみ、はるか」
お姉ちゃんはそう言い私の頭を撫で始めたのだった。
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安全っぽい基地でゆっくりするはるかたち。
しかし、敵はそういうのを逃したりはしないのだ。




