4.部活動
教室をでた僕は先ほど先生から配布された校内地図を頼りに部活棟を探した。
すると後方から声が聞こえた。
「ルー君!!ま、待ってよぉー!」
見るとアリナが小走りでこちらへと向かってきていた。
しまった、うっかり教室へ放置してしまっていた。
「な、なんで置いていくの。」
「ごめんごめん。クラスの人に話しかけられてそれでうっかり。」
見るとアリナは半べそをかいており、申し訳ない気持ちに襲われた。
「さっき、この学校でなにするのか教えてくれるっていったじゃん。」
「ほんとにごめん。じゃあ一緒にその部室探そうか。」
「うん・・・・。」
まだ少し落ち込んでいそうだがひとまずは納得してくれた。
「それで、ルー君の入りたい部活?ってなんて所なの。」
「あぁ。」
僕らは講義棟をでて部活棟を目指す。
事前にサイトで部室の場所は調べてあったためその場所は案外簡単に見つかった。
「ここだよ。」
僕はその部室を指さしながら答えた。
「『MOBA部』?」
「そう。僕がこの学校に来た目的の部活だよ。MOBAはMultiplayer Online Battle Arenaの略でいわゆるオンラインゲームのジャンルの一つだよ。その代表的ゲームMoLは全世界で1億人もの人間がプレイしているんだ!」
「そ、そうなんだ。なんかすごいね。」
普段あまりみない熱狂的な僕の視線に彼女は若干引いていた。
「MoLを部活でやってる学校って少ないからね。だからこの学校を選んだんだ!この学校なら部活もあるし部員もたくさんいそうだろう?」
「そうだね。それにしてもルー君がゲーム?にこんなに詳しいなんてしらなかったよ。」
「それは普段は家でやってるしアリナあんまり興味なさそうだからね。でもここまでついてきちゃったんだし中、一緒にはいるか?」
「・・・うん。」
そう尋ねると彼女は恐る恐るうなずいた。
「よし!じゃあ開けるぞ。」
これだけの人数を誇る学校だ。部員数は何人いるかな。
1チーム5人のゲームだし模擬戦をするにしても10人以上はいるだろうな。
そうなると僕は2軍、あるいは3軍からのスタートになるだろう。
なんにせよ強くなって1軍を目指して大会出場しないとな・・・。
そんな思いを募らせつつ僕はゆっくりとその扉を開いた。
スクリムとは主に練習試合のことを指します。
本来であればプロチームとプロチームが予定を組み実際に試合をするのですが、プロ以外の高ランクプレイヤーやプロの練習生等もこのスクリムに参加することがあるようです。
ここでは高校同士の練習試合や部内での試合もスクリムと呼ぶことにします。