1.今日から始まる
この物語はノンフィクションです。登場する人物・団体・名称などは架空のもであり、実在のものとは一切関係ありません
桜舞い散るこの季節
僕、安部流志はこれから始まる生活に胸躍らせていた。
「ルー君。今日から高校生だね!」
おそらく似たような気持ちを募らせているのであろう彼女はそわそわしながら僕にそう投げかけた。
「あぁ。」
今日から。そう今日から始まるのだ。僕が夢にみていたような高校生活が。
彼女の言葉を反芻し様々な想像を繰り広げる。
「ルー君はこの学校でやりたいことがあるんだもんね...!」
彼女の言うとおり僕は目的をもってこの学校へ入学した。
やれ家が近いだの、やれ進学が有利になるだのそんなものには興味はない。
だが、僕にとってこの場所はわざわざ電車で1時間以上かけ毎日通いたいだけの理由があった。
しかし
「そういえば、アリナはどうしてこの高校を選んだんだ?家から遠いだろ」
ふと気になって彼女
幼馴染の周藤有那に向き直る。
「どうしてって・・・ルー君いないと友達ができるかわからないし」
「ってことは僕についてきたってことか!?お前は・・・もう高校生にもなるっていうのに。」
そういうと顔を赤らめてうつむいてしまった。
「でもついてきちゃったんなら仕方ないから後でこの学校にきた目的を教えてあげるよ」
「え!ほんとう?春休みの間も全然教えてくれなかったから楽しみ!」
「僕も楽しみだよ・・・。これからどんな生活が待っているんだろうな・・・!」
そうして僕らは歩みを進める
僕らがこれから通う「私立ネクシス学園」へと。