表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/19

6 表彰

 市庁舎、最上階にて。ユエとオリエンスの二人は市長と対面していた。

 シティの庁舎は総構えの要塞と化しており、市長の執務室のある天守からは遥か遠くまで見渡すことができる。


 「やあ〜、さすがは『マゴスの子』、だねぇ。世界最強!さあ、こっち来てこっち。いつも通り記念撮影しよう、記念撮影。」


 そう言うと市長は強引に左手でユエと肩を組んで引き寄せる。右手はオリエンスの腰にまわすふりをしてしきりと彼女の尻を撫で回している。よく見ると笑顔なのに目が笑っていない。


 「オリーちゃんいつ見ても美人だねぇ。今晩どう?夜景の見えるレストラン、予約するヨ?その後は屋形船を貸し切ってクルージングでもどうカナ?」

 「任務がありますので。」

 「そっかぁ〜。困ったことがあったらいつでも私に相談するんだヨ?気に入らない上司がいればすぐにでも飛ばしてあげるからネ?」

 「はい。有難うございます。では失礼致します。」


 帰りのエレベーター内で尋ねてみる。


 「大丈夫?」

 「あの程度でいちいちキレてたら宮仕えなんて務まりませんよ。お気になさらず。それに、あれがあの怪物の本性だと思わない方がいいですよ?」

 「あれで?」

 「そう、あれで。」


 普段人の心を覗いたりしないユエであったが、あれだけ誰でもわかる下心丸出しの人間の行動が全て計算ずくの演技だとしたら、能力云々では対処しようのない化け物であろう。

 一階の各種受付を通り過ぎ、玄関を出ると土産品やら何やらの屋台がずらっと並んでいる。中には厄災と戦うユエらしき少年のポージングフィギュアまで売っている。


 「さ、機関に帰るまで氷菓でも食べていきましょうか。味は・・・果汁の入ったこれがお好きなんでしたっけ。奢りますよ?」

 「ありがとう。」

 

 そうして二人は柑橘系のフレーバーのコクのある氷菓子と、生クリームと果実の入った薄いパンケーキを買い、半分ずつわけて食べながら一緒に市庁舎を後にしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ