Scene0.独白-書庫
はじめまして、國助という者です。
この度は『僕の旅』を手にとって(?)頂き、ありがとうございます。この小説は私の『小説家になろう』への初投稿作品になります。そのため、至らぬ部分も多く出てくると思いますが、そういう点については感想と共に指摘くだされば直していきたいと思っています。
さて、それではこの小説についての注意点を幾つか。
1、この小説はあらすじからも分かる通り少々複雑な物になっています。ですから読み進めていくうちに苛立つこともあるかと思いますが、気長に読み続けて頂ければ、と思います。
2、この小説は普通の小説と異なり、キャラ同士の会話が非常に多くなっています。が、これは仕様です。この点については改善のしようがありませんので、「読み辛い」という意見が多くありましたらセリフの前にそのセリフを言ったキャラの名前を入れるなどの対策をしていこうと考えています。
3、これが一番重要かもしれませんが、私は自宅にインターネット環境がありません。よって不定期更新になると思いますが、ちまちまと書き続けていきますのでよろしくお願いします。
長くなりましたが、注意点は以上です。本文ではこの様に堅苦しい文体は殆どありませんのでご安心ください(笑)。
では『僕の旅』、楽しんで頂ければ幸いです。
2009年4月19日 國助
Scene0.独白-書庫
目の前には、扉があった。
重厚そうな、来たものを阻むことを目的としているような、扉としての矛盾を抱えた扉。
しかし、その後ろには扉から続くと思われる建物はなかった。
ただ、扉があるだけ。
俺は、迷わず扉を開けた。
何故、そうしたのかは解らない。だが、開けなければならないと、俺の中の何かが警鐘を鳴らしていたのだろう。
そうして入った扉の先にあったのは、書庫だった。
あるのは圧倒的な数の本。俺はその中から、目当ての本を探す。そしてそれは、すぐに見つかった。
手にとって見た瞬間、殺風景な本だな、と思った。背表紙にも表紙にも、書いてあるのは二つの英単語だけ。ただ『the first』と書いてあった。これは題名だろうか?俺はある種の焦燥感を感じて、表紙を開こうとし、そしてその動作を止めた。
・・・何故だ?
そんな疑問を感じたからだ。
俺はなんでこんなことをしているんだ。
そもそも、俺は誰だ。ここはどこだ。そして、自分で目当てだと思っていたこの本は何だ。そういった疑問の、何もかもが分からない。すべての記憶に、濃い靄がかかったかのようだ。
ただ、限りなく本能に近い部分の俺が、こういっている気がした。
――この本を、読め。記録を、辿れ。
気が付くと、俺は本を開いていた。
その本に記されていたのは、とある悲劇の記録。
あまりにも寂しく、残酷な、過去の現実。決して他人のものとは思えないほどの、リアル。
そうして、漠然とだが、わかったことがある。
この記録を導くのは俺だ、ということ。
それは一つの俺に課せられた義務であり、遂行するべき任務であり、過去、現在、そして未来そのものである、ということ。
それらを認識した瞬間、俺は作業に入った。
この物語には、この記録には、俺の手で、幸せな結末を――
僕の旅
いかがでしたでしょうか。
といってもこれはプロローグなので、「?」と思っている人が殆どだと思います。
しかも下手をすれば前書きの方が本文より長いかもしれない・・・(汗)
次回から本格的に物語が始まりますので、楽しんで下さい。