表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小説っぽい文章を書くよ!

作者: 瓜

 まず、簡単な自己紹介からしたいと思います。

 作者は高校生です。しかも、ただの高校生ではありません。小説が滅茶苦茶苦手な高校生です。どんな人気作家の作品であっても、大抵3分で投げ出します。()()()ノベルでさえも、読破出来たためしがありません。

 そのため、小説の技法とか全く知りません。であるにも関わらず、拙作に文章評価5ポイントついた事が嬉しくて、誰に頼まれた訳でもないのにこんな文章を書いています。

 だから、プロでもなんでもない人間がこんなもの書くなよ、と思う人は、ここでブラウザバックしてください。

 また、『小説っぽい文章を書くよ!』などと銘打ってはいますが、他の方が書いた小説の書き方講座のように、人称がどうとか、そこまで丁寧に説明していないので悪しからず。あくまで、「文の形をそれっぽくする」ための講座だと思って頂きたいです。

 それでは早速始めていきましょう。



 ①同じような形の比喩を使わない!

 直喩、隠喩、擬人法…。比喩って色々ありますよね。それに、小説のような文章を書く際には、必ずと言っていい程必要になってくるものでもあります。だからこそ、比喩が上手いとなんかそれっぽくなる…気がします。多分。

 それで、どうすればこの「比喩」が上手くなるかなんですが…私見では、とにかく頻繁に同じ形の比喩を使わない事が大切です(ある程度文と文が離れていれば、同じ形でも構いませんが)。

 別に、一々直喩だの隠喩だのを使い分ける、なんて難易度が高い事をする必要はありません(出来たら格好いいですけどね)。直喩、直喩ときて、また次も直喩だっていいんです。

 では、同じ形の比喩を使わない、とはどういう事なのか、例文を用いて説明していきます。


 例)怪物は、ピストル星雲を閉じ込めたような目で僕を見た。僕は、潰れたヒキガエルのような声を出して後ずさった。

「ような」が二回続くと、なんだかくどい…。それでは、こう書くとどうでしょう。


 例)怪物は、ピストル星雲を閉じ込めたような目で僕を見た。僕は、潰れたヒキガエルに似た声を出して後ずさった。

 閉じ込めた「ような」も、ヒキガエルに「似た」も、直喩ですよね(これで間違ってたら恥ずかしい)。つまり直喩続きな訳ですが、何だか少し文章がさっぱりしたように感じませんか?

 同じ形の比喩を使わない、という事はつまり、この「ような」に当たる部分をひたすら言い換える事です。「似た」じゃなくたって「如く」でも「みたいな」でも、何だって構いません。とにかく言い換えを意識します。

 言い換えの言葉が思い付かない時は、最悪「ような」を「ように」に変えるだけでも幾分マシになります。作者は偶にそうやって誤魔化しています。



 ②自分が使い慣れた文章表現をする!

 これ、凄く大事だと思います。例えば、先程作者は「ピストル星雲を閉じ込めたような目」という比喩を使いましたが…これは私が、文芸あーぱー脳故の決断です。だって、(知りもしないのに)この部分を純文学風にしようとして「笹紅のような、玉虫色の光沢を持った目」とか書いてしまったら、どうなるでしょうか。


 例)怪物は、笹紅のような、玉虫色の光沢を持った目で僕を見た。僕は、潰れたヒキガエルに似た声を出して後ずさった。

 結局怪物の目が何色なのかよく分からねぇ!しかも後に「潰れたヒキガエルに似た声」とか描写しちゃったから、なんか纏まりがない!笹紅とかオシャンティーなのに、ヒキガエルで台無し!汚い!…そうは思いませんか?

 作者は、純文学や、江戸時代の化粧・文化に、余り明るくありません。なのに、こんな比喩を無理して使うから、とっ散らかった文になるのです。何だったら、純文学や江戸よりはまだ詳しい、宇宙っぽい比喩を使った方がマシでしょう。ヒキガエルと合わせて、なんか理科っぽく纏まりますしね。

 勿論、人によっては宇宙よりも純文学に詳しい事もあるでしょう。その時は、怪物の目も、僕の無様さも、それ風に描写すればいいのです。

 とにかくここで私が言いたいのは、「特別な拘りがない限り、自分が詳しくない分野の知識をむやみに引っ張り出してこない」という事です。これは、言葉の誤用を避けるため以外に、文章を綺麗に纏めるため、という意味もあるのです。小説の文は、ちょっと背伸びする位で丁度いいと思います。



 ③一つの文中で同じ助詞を多用しない!

 助詞。は、が、の、と…等々、色々な種類がありますよね。こちらも比喩と同じく、小説、いえ、文章全般に必要な要素です。助詞がなければ、どんな名文もカタコト外国人風に早変わりですから。だから、助詞も文章を読ませる上で大切になってくる…筈です。多分。

 それで、同じ助詞を多用しない、とはどういう事なのか。まずは駄文から見ていきましょう。


 例)僕は反対したが、イヤミな生徒会長と取り巻きは断固として聞かず、結局その予算案は通ってしまった。

「は」と「と」が多いですね。この文章から、何処かもだもだと進まない印象を受ける人も多いと思います。では、次の文はどうでしょうか。


 例)僕は反対したが、イヤミな生徒会長や、その取り巻きが断固として聞かず、結局その予算案は通ってしまった。

 少しもだもだとした印象が改善されたのではないでしょうか。しかし結局「は」自体は、文中に二つとなっています。ここで大事なのは「『は、が、の』は一文の中に同じものが2個くらいあってもOK」という事です(あくまで作者の主観ですが…)。所謂、主語や体言の後ろに付く助詞ですね。

 勿論、「は、が、の」だって3回も4回も使ったらくどいものです。しかし、「と」や「を」なんかが、一つの文中で2回使っただけで鬱陶しくなってしまうのに比べれば、「は、が、の」は比較的扱いが楽な助詞でしょう。

 因みに、敢えて同じ助詞を何度も用いる事で、登場人物の葛藤などを演出する手法もあるようです。しかし、私はやはりそちらの方面に明るくないので、ここで詳しく述べる事はしません。



 ④近い文章中で同じ漢字を使う際は、違う読み方をさせる!

 さて、重箱の隅を突くような内容になって参りました。これは最早作者個人の細かい拘りなのですが…取り敢えず例文からどうぞ。


 例)想い人と二人、連れ立って歩く。青白い月明かりに照らされた彼女は、女神のように美しい。そうして僕が見惚れていると、彼女が唐突に口を開いた。「月が綺麗ですね」

 あんまくどくないじゃん、と思う人もいるかも知れませんね。確かにこれは、滅茶苦茶文章に拘る人以外は、そんなに気にする事ないのです。でも、上の文を読んだ時「月」を「つき」と読ませるのが続いて、なんだかしつこいな、と思った人は、少し意識してみるといいかも知れません。


 例)想い人と二人、連れ立って歩く。青白い月光に照らされた彼女は、女神のように美しい。そうして僕が見惚れていると、彼女が唐突に口を開いた。「月が綺麗ですね」

 こう書いてみると、少しだけ文が引き締まったと思いませんか?まあ、本当に少しですけど…。この「読み」については、和語と漢語を組み合わせるといい感じになると思います。④については、特に長文を書いていると効果が分かりやすいかも知れません。良ければ試してみてくださいね。


 番外編:同音異義語を使う!

 ④で挙げたテクニック(?)の仲間として、敢えて同じ読み方をする語を並べる、というものもあります。


 例)想い人と二人、連れ立って歩く。青白い月光に照らされた彼女は、女神のように美しい。そうして僕が見惚れていると、彼女が唐突に口を開いた。「月が綺麗ですね」…それって。やった、僕にも恋のツキが回ってきたのかも知れない。

 言うまでもない事ですが、ここでは「月」と「ツキ」を掛けています。こういう文は、言葉がバチっと嵌ると気持ちいいですよね。短歌に詳しい人、謎かけが得意な人なんかは、試してみては?



 さて、ここまでダラダラと「それっぽい文章の書き方」を説明してきた訳ですが、いかがだったでしょうか。

 このエッセイが、何か貴方のためになったのなら、幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] それなりにしっかりしていると思いますよ。的を得ていると思います(o'∀')b まぁ一番の近道はとにかく読書。直木賞作家辺りがいいけど、最終的には太宰治などの文豪を。私は読書からあれこれと学ん…
2018/10/01 18:37 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ