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迷い子  作者: 竜胆
7/10

彼氏とみぃ

大人な男性の彼氏の態度に瑠璃は戸惑いを覚えています。みぃの彼氏に対する態度は悪化しているようです。

彼氏が私の胸を触っているのかと寝ぼけつつ視線を下ろすと、みぃが私の胸で足踏みしながらゴロゴロて喉を鳴らしながらパジャマに吸い付いていた。

彼氏は起きていて私の肩越しにみぃの行動を覗いていた。彼氏は面白いのか身体が震えて居るのが私の身体に伝わって来た。みぃの気が済むまで私たちは布団から出なかった。しばらくするとみぃは丸くなって寝てしまった。そーーっと布団から私たちは出て、寝室の外に出てからクスクスと声を出して笑い合った。


二人で朝食を作っているとみぃは泣き叫びながら私に飛びついて来た。私の足にしがみついていた。私はみぃの餌を用意する事にしたが、みぃは餌に見向きもしないで私から離れなかった。私はソファーに座ってみぃを膝の上に乗せて、みぃの身体を撫でてマッサージをしてあげた。「みい、食べないの?」と聞いたが、みぃはまた私の服を足で揉み揉みしながら、吸い付いていた。

彼氏が「赤ちゃんがえりかな」と言った。私は困惑しつつも、みぃが可愛くて堪らなかった。

みぃの口を開かせて歯のチェックをしてみたら、前歯が一本抜けていた。彼氏に「乳歯が抜けてる!」と叫んでしまった。結局朝食は彼氏が作ったが、私は食べずに居間や寝室の床や畳の上に這いつくばって、みぃの抜けた乳歯を探して回った。彼氏は私の行動に呆れつつも探すのを手伝ってくれた。みぃの抜けた乳歯は見付からなかった。


みぃはソファーに座る私の膝の上に居座っていた。私の服を脚で踏み踏みしながら、クチュクチュと吸っては喉を鳴らしていた。私はみぃの頭と身体をなるべく優しく撫でながら、みぃに対して申し訳ない気持ちがしていた。「みぃ、気付いてあげられなかった。ごめんね。痛かった?」と声を掛けた。


彼氏がシーツ類まで全て洗濯をしてくれていた。「俺は買い物してくるよ。夕食なに食べたい?」と聞いて来た。「あなたが食べたいもの」と私は答えた。

みぃは彼氏がいなくなると私の指を吸いながら眠ってしまった。私もみぃを抱きながら寝てしまっていたのだった。


髪を撫でられる感触で私は目を覚ました。彼氏だった。「瑠璃もみぃも可愛いなぁ」と彼氏は言ったが、私は子ども扱いされているように感じて、彼氏から顔を背けた。それでも彼氏は私の髪を撫でたり指で梳いたりしていた。「甘やかしすぎ」と私は彼氏に言った。「だって瑠璃は俺のだから」と彼氏は返して来た。私はそれから黙り、みぃを抱きしめた。「また困ってる?」と彼氏が問いかけて来た。私は正直に「あなたが分からなくなってる」と答えた。「瑠璃はそれでいいんだよ。俺は待つよ」と彼氏に言われた。私はますます混乱してしまった。


夕食も彼氏が作ってくれた。だけれど私はあまり食べられなかった。またみぃを抱っこしてソファーに座りうつらうつらとしていた。「瑠璃、お風呂に入ろう」と彼氏に言われて私は困ってしまった。みぃをまた部屋に閉じ込めて良いのか判断が付かなかったのだ。彼氏に「みぃはどうしよう」と相談した。「みぃも一緒にお風呂に入れたらいいよ。瑠璃も安心するだろ」と彼氏は言った。


みぃとお風呂に入っていた時にいつもしていたように私はバスタオルを置いてみぃの居場所を作った。

みぃは彼氏が気になるのか、お風呂場に入ったり出たりを繰り返していたが、しばらくするとバスタオルの上に横になって私たちの様子を伺っていた。

私たちはいつものようにお互いの髪と身体を洗い合った。それから私たちは湯船に浸かったが、私はみぃの身体を蒸しタオルで拭いてマッサージしてあげた。みぃは気持ち良さそうに喉を鳴らしていた。

私たちは互いの髪と身体をバスタオルで拭き合った。彼氏は私の髪をドライヤーで乾かしてくれて、仕上げに柘植の櫛で梳いてくれた。これらの行為は彼が好んでしている事のようだった。

居間に戻るとみぃはソファーの上で寝ていた。


私がおつまみを作り、彼氏がお酒の準備をした。「明日もゆっくり過ごそうか」と彼氏は言った。「いいの?なんだか申し訳ないわ」と私はきまずかった。「いいんだよ。俺は瑠璃と過ごせるだけで」と彼氏は言ってくれた。

「瑠璃」と呼ばれて、なんだろうと彼氏の方を見ると彼氏に抱きしめられた。「みぃに嫉妬してる。頭では分かってはいるんだけど、感情がね。。。」と彼氏は苦い顔をしていた。私は彼氏の肩に頭を寄せて「ありがとう」と言った。「そうそう。瑠璃はそのままでいいんだ。もう、ごめんとか言わなくていいからね」と言った。私たちは身を寄せ合って互いの体温を確かめ合った。私は彼氏の体温に癒されていた。


居間の片付けを二人でし終えて、寝室に私たちは移動した。みぃはすでに自分のベッドで寝ていた。

私たちは彼氏に背後から抱きしめられて布団に横になっていた。「あのね、明日のお昼に両親を呼んで一緒に食事しない?庭の花木や果樹についても父に聞きたい事があるの」と私は提案してみた。「いいね。何がお父さん達は好きなの?」と彼氏が言ったので、「分からない」と私が情けない声をあげたら彼氏に笑われてしまった。私はむくれて彼氏の脇腹を抓った。


翌朝、母に電話して「お昼を食べに二人で来ない?」て言ったら、母はとても喜んでくれた。「もちろん行くわ」と弾む声で母は言ってくれた。それから買い物をしたいから、早めに来てみぃを見ていて欲しいの、とも頼んだ。「瑠璃、あなた変わったわね」と母に言われて私は変な事言ったかな、と彼氏に尋ねたら微笑まれた。

この二人と一匹のパワーバランスが気になります。

まだ続きます。よろしくお付き合いくださいませ。

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