食事会
両親と彼氏が初対面します。
母から電話が掛かって来た。
「父の野菜を持って行くから、一緒に作ろう」と。父は庭の一角で家庭菜園をするのを休日の趣味にしていた。肥料から作っていた。もちろん無農薬で野菜類を育てていた。
母だけ先に来るのかと思っていたら父も一緒に我が家にやって来た。みぃはキャリーバックに入れられて悲鳴をあげていた。
私はみぃを膝に乗せてあやしてやった。みぃは彼氏の事を取り敢えずは居ない存在だと判断して無視を決め込んでいた。みぃのその様子が可笑しかったようで、彼氏は逆にみぃを気に入ったようだった。みぃが眠ったのを確認してから、彼氏はみぃを撫でていた。「柔らかいね。体温が高いね」ついには「可愛い」と彼氏は言った。
母はみぃが膝にいて動けない私を見て料理を一人で始めてしまった。父は彼氏にどのように話しかけようか迷っているのか、緊張した面持ちをしていた。
彼氏はいきなりソファーから降りて正座をした。父に自己紹介をして、父にお酒と母にへとお菓子の包みを差し出した。「ご挨拶が遅れまして大変申し訳ありません。ですが真剣に彼女とお付き合いをしています。結婚の申し込みを昨日したばかりです」と父に言う、真面目な顔をした彼氏を私は初めて見た。
父は彼氏の顔を正面から見る為にか、同様に正座をして顔をしばらくの間見合わせていた。そして私に「そうか」と少し切なそうな顔をして言った。
母はいつの間にか、私の背後に立っていて、「待っていたのよ。お父さん心配していたのよ」と、私の方にもたれて来た。
私はひたすらみぃを撫でていた。外堀を彼氏に埋められてしまったと少しばかり彼氏を憎くいやつめ、と内心では感じていた。
逃げ出すように私は眠ているみぃをソファーに降ろして、台所に移動した。そして母と一緒に料理をした。
食事会は私以外の大人たちは、和やかに歓談していた。私は内心不貞腐れていた。彼氏にはバレていたようで時おり視線を感じた。
両親が帰ってから、彼氏は私に「ごめんね」と言った。
私は彼氏に抱きついて甘えた。みぃの前だとか、頭に無かった。彼氏から「いいの?みぃが見てるよ」と言われて気がつく始末だった。だけれど私は彼氏から離れなかった。
彼氏に再び「本気なの」と尋ねた。彼氏はただ強く抱きしめ返してくれた。
「知っているよね、私の悪いところ全部。本当にいいの」と私は声を詰まらせながら尋ねた。彼氏は何も言わなかった。
「お風呂に一緒に久し振りに入ろうか」と彼氏が言った。「髪を洗って欲しいんだ。お互いに洗い合おう」と私の髪を指で梳きながら彼氏は言った。
みぃを一人にするのは不安だったけれど、私は彼氏とお風呂に入った。
読み返してみて、誤字の多さに我ながら驚きました。すいません。。。ご指摘くださいね。
彼氏は策士と言うより、「大人の男性」だと思って書いているつもりです??どうでしょうか。