嫉妬
みぃとの暮らしに変化が?
みぃの歯はまだ前歯四本しか生えておらず、おそらく生後二、三週間だろうと獣医さんから教えてもらっていた。
人工ミルクと離乳食の作り方を教えてもらい、トイレトレーニングについてもアドバイスしてもらっていた。
猫の本能なのか、みぃはトイレは難なく覚えて粗相しなかった。トイレ中、みぃが踏ん張っている姿を私がじっと見ていると、私にくるり背を向けていて、恥ずかしいのかなと思った。
みぃは両親が買ってきた玩具に夢中になって遊んでは、次の瞬間コロリと寝ていた。
私がパソコンを使って集中して仕事をしていたら、みぃは相手をしてくれ、とばかりに広げていた資料をぐちゃぐちゃにしたり、あげくの果てにはミィーミィーと泣き出して、私がかけていた椅子を爪で引っ掻いていた。
膝の上に乗せてあげて、撫でてやったら落ち着いて眠りについていた。
みぃが我が家にやって来てから、私の生活は規則正しいものになった。早寝早起きをするようになった。
両親はその事をとても喜んでいるようだった。高校時代くらいから、両親と接点を持ちきれない私であったが、みぃを通して両親との関係性がかなり回復されつつあった。
両親が我が家に来る回数が次第に増えていき、毎日のように来るようになっていた。
みぃも両親とは仲良く遊んでいた。
両親の実の孫である、私の甥っ子や姪っ子は他県に住んでおり、両親に懐いていなかった。
みぃのことを両親は孫のように可愛がっているように思えた。
彼氏から電話が掛かって来ると、みぃは機嫌が悪くなっていた。戸を閉めて、みぃには彼氏との会話が聞こえないようにしていた。
煮え切らない私に彼氏が業を煮やしたのか、我が家にまた突然訪れた。
みぃはまた彼氏を威嚇していた。
みぃと彼氏は、相性がどうにも悪いようだと判断して、私は彼氏を近くの個室のある食べ物屋さんに誘った。
驚いたことに彼氏から求婚されてしまった。
猫も人間も嫉妬する生き物です。
ライバル関係です。