Pig can fly
何処までも。何時までもこの幸せな日々が続けばいい。なんて学生の頃は思っていた。
退屈な日常。退屈な授業を受けて、休み時間になったら友達とカードゲームや携帯ゲーム機を取り出して次の授業のギリギリまで遊び、また退屈授業を学校の終わり時間まで受けるを続ける。放課後は友達とゲーセンに駆り出し、懷が寂しくなれば教室でカードゲームをして退屈な日常が楽しく過ぎていく。
簡単なバイトで小遣い稼ぎをして親からもちょっとした小遣いをもらい、趣味全般に金を浪費して友達とバカ騒ぎをする。
彼女がいる奴には羨ましいと言いながらも友達と遊ぶ時間が幸せで欲しい欲しいと言いながらも彼女もつくらず遊び呆ける毎日。
そんな何処にででもいる高校生生活も後半に差し掛かれば就職やら進学やらと全員で騒ぎ出す。
この時になってみればもう誰もがこんなに楽しい時間も永遠に続くはずもないと嫌でも認識する。
将来を見据えている子達はちゃんと先の事を考えられていてどうする。などと話しわする。
が、自分はたまたま二年生の時に職業体験で行った中小企業にたまたま気に入られ、卒業後にはウチにおいでよ。と言われるがままに就職の予定を立てて既に他の子達とわ卒業後の危機感が違うのかあまり現実的な事を考えていなかった。
楽しかった学生生活も終わりを迎える。
なぁなぁで決めた就職先。しかし幸いにも自分の学校は工業高校で、就職先はこれからも仕事が決まっている順調な業績の会社。なぁなぁで過ごしていてもお金は手に入れられて新人だからと、若いからと可愛がられる。
不幸な事なのか幸運なことなのか、現場でわ厳しく叱られ、大人って言うのわと教育をされる。
が、結局御花畑で過ごしていた自分には耐えられる要素がなかった。厳しい現実を知りちゃんとした社会で生きていくにわなぁなぁで過ごしていた自分には現実わ厳しく襲いかかる。
結局会社を3ヶ月で辞めてしまい、最近の若いのわと人事担当に叱られながらも会社を辞めてフリーター生活をする。
家は一般家庭で、無駄飯食らいを養う余裕なんかないと家族にも忌避されるようになる。フリーター生活で自分の食い扶持と手放せない携帯の代金だけを賄える程度の仕事をする生活を2年と続ける。するとそんな生活を親は悲しく思ったのか親の紹介で親の務め先に就職することになった。
ここで幸いなのわ自分が工業高校出で、父親は工業関係の仕事だった。結局親のいる会社で親のコネで入り、心機一転親の会社で仕事をする生活。親の会社でわ若いうえに父親の息子だからと甘やかし、可愛がられる生活。父親が一番厳しく接してくれるほどに可愛がられる仕事生活。
が、徐々に遅刻や欠勤、病気などが目立つようになる。
結局会社にも要られなくなり3年間で親の顔を潰しながらも退社する。
そして、そんか社会不適合者と指をさして笑われるような生活を送った後に、今度わ友達の紹介で入った友達の親の会社に就職する。
幸いなことに自分わ人に好かれるとゆうのわ父親の会社にいる時に、現場で知らない人に名前にちゃん付けで呼ばれて正に現場でわアイドルのように過ごしてして知っていた。
だから、友達の親の会社でも可愛がられるのわ当たり前に感じていて、申し訳なく思っていても甘える始末。
人生なんて退屈だけど日本にいる限り娯楽わ絶えずあり、食料難になるなんて起きず、戦争も知らず、退屈だけど幸せな日々が続くと信じて疑わなかった。
死ぬまで性格も変わらず、人に迷惑をかけ、甘える生活。そんな糞みたいな人間の人生が続くと疑いながらもなぁなぁに過ごしていくうちに信じて疑わなかった。
そんな生活続くわけがないのに。
自分の幸せが続くと
「危ない!避けるんだ君!」
「?」
誰かが叫ぶ声を聞いた気がした。
反射的なのか日本人の野次馬根性なのか、危機回避能力なのか、そちらに顔を向ける。
居眠りした運転手と猛スピードで迫る車。鉄の塊が、人間の文明の利器が自転車に跨がる自分に向かってくるのが見えた。
何が起きてるいるのだろう?頭が、思考が止まる。ただでさえ人より思考能力が弱いんじゃないかと疑われ、病院に行ったほうがいいと蔑まされる程に頭が悪いのに鉄の塊が迫ってくるとゆうアクシデント?に直面して思考能力が低下する。
ヤバい。そんなのわかっている。だって運転手が居眠りして車が突っ込んで来ている。そんなもの幼稚園児でもあぶないよ。って理解出来るはずだ。けどもともとアクシデントやとっさの出来事にめっぽう弱い自分はそんな事態になんと固まってしまう。
逃げなきゃ。そうわ思うものの、体が動かない。
あまつさえ、自分が自転車に乗っていると忘れて全速で走り出そうとして、自転車に足を引っかけて体勢を崩してしまう。
どんくさい。こんな危機的状況で逃げることすらままならない、脂肪がたっぷりと付いて久しい体を恨めしく思う。
いつも減量しなきゃと思い、現場でわ太っていても逆に可愛がられていて結局減らしていなかった脂肪が今でわ心底恨めしい。
だが居眠り運転の鉄の塊にそんな事情なんて知った事でわない。
なんとかどんくさい体に鞭をうち地に着いている片足に力いっぱい力を入れて跳躍する。倒れかけた自転車が幸いして前のめりになったおかげで、スタントマンにならるのでわ?と思う程にスムーズに離脱する。
いやいや。中学生の頃からラノベにハマりながらも、友達とサッカーをしたり野球も好きだったりと全く動けないただのデブでわなかった。高校生の頃も放課後は友達とサッカーをしたり授業でわ積極的にサッカーや野球がやりたいと皆で楽しんでいた。やる気がない子や痩せていても運動の出来ない子達よりも断然動けると自負していたし、何より意志があった。高校生の体育祭でわ自分たちの学年が3年生になり、今までわ上が役にたたなかったからうちの組わ負け続けているんだと啖呵をきり、しかし見事に準優勝まで持っていった。ゆえに他の組、クラスからわ動けるデブとの称号をクラスでもらっていたのが幸いしたか。
そんな事を考えながらも綺麗に跳躍すり。これが走馬灯とゆうやつだろうか?と考える。いやはや人間の脳とわ危機的状況になるとアドレナリンが漏れて人間の体の限界を越えるとゆう話しでわ昨今でわ有名だが、自分での経験できるものわなかなかこの平和な日本でわ起きないだろう。起きても自分のように華麗に避けて事故を回避出来ずにそのまま人生ゲームオーバーになる事だろう。と内心ほくそ笑む。
跳躍を終えて、さぁ車はどうなったかと車に意識を向ける。
案の定車は後ろにあった信号機に轟音を立ててぶつかる様が見える。
ふっ。危ない危ない。いやはやいきなりのアクシデントに現場での対応は出来ずに上司にしこたま起こられるのが日常だったが本当の命に関わるアクシデントには即対応が可能だったとわ。なかなか自分も捨てたとのでわなかったらしい。アドレナリンが出ているのがなんとなくわかる頭で凡そ一瞬といって良いほど時間で自分を再評価する。いや自負する。
プーーッ!とクラクションの音が何処か遠く聞こえたくる。
何処か間抜けな音を置き去りにするほど華麗に鉄の塊を避けてしまうとわ。しかし音わ段々と近づいてくる。アドレナリンが切れかかっているようだ。となんとなしに顔を前に向ける。
「え」
見えたものわ鉄の塊の後ろから続いてくら次の鉄の塊だった。