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スプーン曲げ放題


スプーン曲げ

それは超能力の中で最もポピュラーな物の一つである。そして小学校の給食の時に出されるスプーンを力ずくで曲げるヤツがクラスに一人は居る。

そんなスプーン曲げを異世界転移したときに使えるようになった訳だが……。


役に立つかコレ?


元いた世界でもスプーン曲げだけで生きていくには相当難しいだろう。今時テレビでもそんなのは取り上げられない。しかもここは魔法や異能が蔓延る異世界だ。今からこの種も仕掛けもないスプーンを曲げて見せます!といったところでそれが?と言われてお仕舞いだろう。何が強力だ、全然役に立ちそうに無いじゃないか。


僕は頭を抱えながら大きく溜め息を付いた。


それとほぼ同時に閉まっていた扉が空いた。その部屋にはこじんまりとしたテーブルがありその上に名前が書かれた袋が置いてある。中身は金らしきものと紙がありそれにはこの世界の簡単な常識が記されていた。後はいくつかのスプーンだけである。確信犯かよ。

袋の中を確認した奴らはもう出ていってしまった、多分もう会うことは無いだろう。


誰もいなくりシーンとした部屋でスプーン曲げを試すことにした。スプーンを持ち曲がれと念じてみる。


グニャッ


スプーンは想像よりずっと簡単に速く曲がった。しかもどの方向にでも曲げられるらしい。僕は面白がって一心不乱にスプーン曲げをした。意外と良いかもしれない。もしスプーンだけでなく他のものも曲げられるようになったらそれはかなり使えるだろう。


曲げる速さはやればやるほど速くなる。数分のうちにひゅっと空気が鳴る音までしてきた。さらに角度もつけれる事に気付くともうスプーンがムチのようにぬるぬる動く、キモい。なんだかプチプチを潰している気分だ、止められない。

そう思い始めた頃スプーンを手に当ててしまった、けっこう痛い。その痛みでスプーンを落としてしまった。

これでけっこう痛いってことは極めれば高威力になるかもしれない。ていうかなってもらわなきゃ困る。


落としたスプーンを拾おうとし屈んだ時に変な物を見つけた。それは床に空いた小さな穴だった。普通なら気にする程の物では無いがその穴の中に少し光っている物が落ちていた。なんだコレ。


少し気になる。どうにかして取れないものか。

そう思い穴の中にスプーンを突っ込む。もちろん取れない。がここでちょっとしたことを思い付いた。スプーンを刺したまま曲げる、そうしたらうまく掬えるのではないかと思ったが全然ダメだった。しかしこれが思いもよらない結果を生む事になる。


曲がったスプーンはそのまま止まらず……床の木を砕いてしまった。


辺りに木片が舞った。何故ここまで高威力なのだろう?そこで思い出した。


スプーンを必ず曲げることが出来る。


必ず、つまり曲げる時に邪魔があっても曲がるということなのでは無いのだろうか。今床の木を砕いたように。


……もしかしてコレ意外と強かったりします?

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