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始めに


その朝はいつもと同じ朝では無かった。

まず目覚まし時計のアラームが聞こえずゆっくり自分で起きたし目を開けたとき見た天井は知らない物でありベットではなく硬い床にねっころがっていた。


得たいの知れない不安感が襲ってくる、もしや誘拐でもされたのでは無いだろうな。


「ご気分は如何ですか?」


声がした方を見ると綺麗な外人の女が立っていた、こいつが誘拐犯か。

その女はゆっくり僕の方に手を伸ばしその手を僕の頭の上にポン、と置いた。


その瞬間頭の中に情報が一気に流れ込んできた。


ここは前いた世界ではないこと。


こっちの世界では魔法や魔物がいること。


あっちからこっちに来るときに一つ能力を手にいれていること。


一つ一つがにわかには信じがたい。だが何故か信用できてしまった。


「詳しい説明はこちらでさせていいただきますね」


ついてきて下さいと言いその女は歩き始めた。そしてある部屋に招待された。そこにはすでに男と女が二人ずつ年は僕より年上そうなのばかりだった。

イヤ、女の方の一人は僕と同じ位かもしれない。部屋に入った僕をそいつらはギロリと睨んできた。失礼な奴らめ。


「これで全員揃いましたね、では説明を再開させていただきます」


そう言うとその女はまた頭の上に手を置いていく。それと同時にまた色々な事が分かった。


この後僕らは何をしてもよいとのこと、能力を磨くも良し、情報を集めるのも良し、いきなり旅に出るのも良し、死ぬまでのんびり働いて暮らすのも良し(こっちの生活水準はあっちに比べるとかなり低いのでオススメはしないとのこと)、犯罪行為に手を染めても良いらしい。そして自分の能力もこの時点で分かった。


「何か質問のある方はいらっしゃいますか?」


そうその女がいうとこの中で一番年上そうな男がこう言った。


「なんで俺たちは呼ばれたんだよ?理由でもあんのか」


そう言うと女はクスクス笑ってこう言った。


「あなた方がそう望んだのですよ?あんな世界ではなくもっと自由な世界へ行きたいと、やりたいようにしたいと!」


図星だった。僕は夢も希望も無ければ友人もいない。生きてても全然楽しくないがかといって死ぬのは痛そうで怖い。もっと楽しいことが起これば良いのにと思っていた。

その矢先にコレだ、都合がよくて笑えてくる。だが……


「あなた達の能力はとても強力です。この先きっと力になってくれるでしょう……」


そう言うとその女はフッと消えてしまった。なんだったんだアイツは。

それに聞きたいことが一つだけあったのに!僕の能力についてだ。


スプーン曲げ

スプーンを必ず曲げることが出来る。


……絶対強力じゃあ無いだろ!

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