表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

000


 目を閉じる、目を閉じる。

 やってしまった、とは思わなかった。

 後悔なんてしなかった。

 まだ上手くまわらない頭で事が終わった光景を見回したとき、俺はイラつくほどになにも感じず、なにも思わなかった。

 いや、無意識になにも感じないように、なにも思わないようにしていたのかもしれない。

 この凄惨な光景を日常と固定づけることによって、全てを無かったことにしようとしていたのかもしれない。

 まぁ、今となっては至極どうでもいいことなんだけれど。

 そう、どうでもいいのだ、なにもかもが終わってしまった今となっては。

 鼻の奥がつんとする。

 あぁ嫌だ、今は涙を流したくなどない。

 出てくるな、出てくるな、でてくるな、デテクルナ。

 だって最期の顔が泣き顔だなんて、そんなの俺が笑いながら描いていた人生設計とは違う。

 いや、こんな展開になっていた時点で人生設計なんて無いに等しかったのか。

 早く、早く俺をこの身体から離してくれ。

 






 次に目を開けたとき一番最初に飛び込んできたのは、それはそれは綺麗な、先ほど見た鮮血より鮮やかでいて深い、真っ赤な一匹の蝶だった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ