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ある小間使いの独白  作者: 七転び
34/35

〈番外編〉そして愉快な仲間達 其の参

会話文のみです。苦手な方はご注意くださいm(__)m

ハルとヘタレ男

本編終了後。ハルの薬局にて

ーーーーーーーーーーーーー






「はぁ~………」

「………………」

「はぁ~………」

「………………」

「はぁ~………」

「………………うっさいよハル」

「だってぇ~ぅうう…」

「だって、じゃねぇ。そのぶっさいくなぬいぐるみ並にぶっさいくな(つら)してんぞ」

「不細工って…セナ君との思い出のぬいぐるみだよ!」

「見向きもされなかったじゃねぇか。ってかどうすんだよ、それ。返品きかねぇぞ」

「同じの買ったのに…高かったのに…いい。セナ君とお揃いって思うことにする…カイトにはあげないからね」

「いらねぇよ。んなかわいくねぇ驢馬のぬいぐるみなんか」

「え?猫でしょ?」

「は?驢馬だろ?…いや、海豹か?」

「どう見ても猫だよ…セナ君は豚とか言ってたけど」

「豚じゃねぇ。豚だけは違うし」

「なんだっていいよ。僕の癒しはもうこのぬいぐるみだけだ」

「二度と会えない訳でもねぇだろ」

「でも…うぅ~セナ君~」

「はぁ…セナが学府に行って、伏魔殿からも遠離って、子供らしい暮らしだっけ?セナの為にいい事だっけ?全部叶ったじゃねぇ?まだ何かあんのかよ」

「僕のトコで、が抜けてる!」

「一介の薬師よりか分限者。これ正しい選択」

「俗物!」

「俗物で結構。何よりセナがブルク殿と一緒にいたいって言ってんだ。それを引き離したら、間違いなくセナに嫌われるぞ」

「それは嫌だ…それでなくてもクレアちゃんに嫌われてるのに…」

「自業自得だ。馬鹿」

「…そうだね。そうだった。たまたま巡回中のカイトが両替商の前を通らなかったら…賊が手にしてた血だらけのぬいぐるみに気付かなかったら…クレアちゃんがセナ君の居場所を言い当てなかったら…セナ君は死んでた…僕のせいで…ホント、自業自得だ。薬師失格だ」

「いや、そこまで言ってねぇし。お前の薬でセナは助かった。『流石俺の嫁』だっけ?」

「……僕って女に見えるのかな?はは…確かに女々しいもんね」

「いやセナは多分意味解って言ってない。好意の最上級だと思って言ってる節がある」

「……そんなの…最上級の好意を向けられる価値、僕にはないよ。僕は3年前、セナ君の命を諦めた。助かったのはセナ君が頑張ったからだ。それに今度の事だって…僕が養子だの学府だの言い出さなければ、セナ君はモデリアード伯の屋敷を抜け出さなかったし、怪我なんてしなかった」

「………」

「………」

「……絶対に笑うなよ?」

「ん?」

「笑うな!絶対に笑うな!振りじゃねぇからな!」

「?うん…?」

「俺は、セナは天使だと思っている」

「………天使?」

「笑うなっ!」

「や…笑わないけど…唐突にどうしたの?」

「本当の天使だと思ってる訳じゃねぇからな。ただセナはお前にとって“特別”だって話だ」

「特別…」

「以前のハルは、取り憑かれたように薬を作っていたな。俺がいくら言っても聞く耳をもたねぇで…間違っていたとは言わないが、俺はハルが死ぬと思っていた」

「うん…それでもいいと思っていたから」

「運命とか信じてる訳じゃねぇけど…セナが薬局(ここ)へ担ぎ込まれなきゃハルはブルク殿に出会えなかった。覚えているか?ブルク殿の言葉を」

「勿論。僕の薬で助かる命がある。そんな事考えた事もなかったからすごくびっくりして…」

「3年前、ブルク殿に出会えなかったらハルは死んでた。そして今回、ハルの薬がなければセナは死んでた。ただの偶然だとは思う。けれど俺には天から遣わされたセナがブルク殿とハルを引き合わせ、巡り巡って自分の命を助けたように思えてならない」

「それで天使かぁ…」

「ブルグ殿もセナと会ってから変わった。3年前と今とじゃ別人だ」

「だけどあの“ジェスタ卿”だよ?そう簡単に変わるものなのかな?」

「あぁ、あの“ジェスタ卿”だな。極悪非道、冷酷無比、悪鬼羅刹、彼の歩いた後には草木一本生えないという…」

「…そこまで言ってない」

「そんな“悪名高いジェスタ卿”が血だらけのぬいぐるみ見た時の取り乱し様…あれが演技だった思うか?」

「…思わない」

「善人になったとまでは言わねぇけど、血も涙もある人だった…少なくともセナに対しては。それは信じていいと俺は思う」

「前から思ってたんだけど、カイトってジェ…ブルク殿にやたら肩入れしてない?」

「そりゃ、隊の予算削られそうになった時止めてくれたしな。『欠けた剣を佩き錆びた鎧を纏う精鋭に諸国は賞賛を惜しまないでしょう』ってな。巡邏や軍の連中であの人を悪く言う奴はいねぇよ。」

「…商売の関係じゃない?ブルク殿の商店、武器防具も扱ってるんでしょ?」

「どうせ仕入れるんだ。何処からでもいい」

「ふふ…単純」

「……そうやって笑ってろ」

「うん。ありがとう…ところでさ、さっきの話」

「さっきの?」

「セナ君が天使って話」

「……改めて言われると恥ずいな」

「僕もセナ君が天使だと思う。そう考えるとブルク殿は巡邏や軍の人達にとって天使になんのかな…と」

「………」

「………」

「…聞かなかった事にする」

「うん。自分で言っといてあれだけど、想像したら気持ち悪かった。なんかごめん」

ハル:男

ヘタレ男:カイト。男


ベーコンレタスな二人。

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