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ある小間使いの独白  作者: 七転び
33/35

〈番外編〉そして愉快な仲間達 其の弐

会話文のみです。苦手な方はご注意くださいm(__)m

パツキンとクレア

『〜真実一路編〜 6/8』あたり。パツキンん家にて

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「クレア、少しいいかな?」

「セナ坊ちゃんの着替えをお持ちする以上に重要な事でしたらどうぞ」

「そんな事言わないで。セナの事は悪気はなかったんだ。寧ろセナの事を思って学府を薦めたんだ…知ってるだろ?」

「はい、存じ上げております。セナ坊ちゃんが嫌がっていた国立学府入学の話を勝手に、無理矢理、話を進めておりました。その御陰様での現状です。それはどうお考えで?」

「それは…その…本当に悪かったと思ってるんだ」

「謝罪はセナ坊ちゃんへどうぞ。それでは失礼いたします」

「待ってよクレア!」

「セナ坊ちゃんが目覚めたらお話を伺います」

「…助からなかったら?」

「………私、ティモシー様より許可を頂いておりますの」

「許可?」

「『モデリアード伯がアホな言動に及んだ場合は容赦するな』と」

「えっ!?ちょっ…まっ…撤回する!発言を撤回する!セナは助かる!助かるに決まってる!」

「ご理解頂ければよいのです。それでは失礼いたします」

「待って…いや、歩きながらでいいから…って早くない?歩くの早くない?」

「はぁ…ご用件は手短でお願いします」

「あぁ…訊きたい事があって、どうしてセナの居場所が解ったんだろうって…」

「仰る意味が解り兼ねます」

「あぁ…えっと…セナがうちの屋敷を飛び出して行方知れずの時、ティムの屋敷にいるって君は言ったよね?」

「はい…傷ましいお姿でした」

「あ、うん…それで、どうしてセナがティムの屋敷にいるって解ったんだろう…と」

「庭師の方が『家に帰る』と言っていたと…その場に伯もおられたかと」

「だから、何故それがティムの屋敷だと?」

「…ティモシー様が居られる場所がセナ坊ちゃんの“家”です」

「成る程…僕にとってあの屋敷は“ティムの家”だ。認識の違いか」

「ご友人ですので、それも当然かと」

「友人である事は認めてくれるんだ」

「ティモシー様が何故、伯とご友好関係にあるのか不思議でなりませんが」

「はは…世間じゃ逆の評価なんだけどな、成り上がりの悪徳子爵を相手してやってるってね。僕としては学生時代からの友人を大切にしてるだけなんだけど、爵位を継いでからどうも周囲が騒がしい」

「成り上がりも悪徳も事実でございます」

「君って本当に容赦ないね」

「セナ坊ちゃんを最優先で物事を考えておりますので」

「前々から思ってたんだけど…南に行かないで僕の所に居候になるっていうのも、ジークンドーだっけ?その訓練に通う為だろう?それはセナの為だろう?どうしてもそこまでする程の意味があるとは思えない。第一、君は女の子だ」

「セナ坊ちゃんは子供です。悪意や暴力に抗う術もない、庇護すべき弱い存在です」

「それは君も同じだろ」

「私とセナ坊ちゃんが庇護すべき弱い存在ですか?」

「そうだ…って!なんで警棒構えてるの!?」

「セナ坊ちゃんが庇護すべき弱い存在と理解されながら、何故セナ坊ちゃんは今、生死の堺を彷徨っているのでしょうか?」

「だから!本当に悪気はなかったんだって!」

「悪気がないと言えば全て許される御身分でいらっしゃるのは存じ上げておりますが、まさか人の命までそれで済まそうとされるとは…」

「そんなつもりないよ!」

「ではどういうおつもりで?」

「それは…っ」

「万が一…億が一、セナ坊ちゃんが不帰の客となるようであれば…お覚悟を」

「やめてよ…君が言うと本気に聞こえる…」

「本気ですが?」

「……そんなに嫌いか。僕のこと」

「嫌いではなく、住む世界が違う方だと思っております」

「何言ってんの!?同じだよ!同じ!」

「同じ…ですか?」

「そうだよ!」

「夜が怖いと思った事はありますか?」

「えっ?」

「朝が怖いと思った事はありますか?」

「えっ?えっ?何?」

「金貨3枚で、消えぬ烙印を押された事がありますか?」

「……あっ…」

「泣けば殴られ、笑えば殴られ…逃げた先で塵芥と目を背けられ、連れ戻され、また殴られた事はありますか?」

「………」

「水路に身を投げ、けれど死にきれず、薄汚い路地裏で(ごみ)を漁れますか?泥水を啜れるんですか!?泥で汚れ血がこびりつき、煤け腐臭すらしていた私の手を握り、セナ坊ちゃんは私を絶望の底から救い出してくれました…あの日頂いた飴の甘さを、私は決して忘れません。そんな方が、伯にはいらっしゃるんですかっ!」

「…………………すまない」

「………」

「………」

「……その謝罪は、セナ坊ちゃんへお願いいたします」

「そう、だね…そうする。引き止めて悪かった」

「ご理解頂ければよいのです。私もご無礼をいたしました。それでは失礼いたします」


「………………………………………………………………………………………頭剃るか」

パツキン:モデリアード伯爵。ご主人の学生時代からの悪友。貴族思考だけど悪い人ではない

クレア:もともとは中流家庭の子。奴隷商人に売買され、逃げ隠れたところをセナが見つける


謝罪や感謝の気持ちは見える形で。

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