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ある小間使いの独白  作者: 七転び
32/35

〈番外編〉そして愉快な仲間達 其の壱

会話文のみです。苦手な方はご注意くださいm(__)m

リョウ兄とポール爺

『〜波瀾万丈編〜 2/9』あたり。南の国境付近の別荘にて

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






「あっご隠居。お疲れっす。遅かったっすね」

「港で荷積みで手間取ってね…リョウは何時頃此方へ着きましたか?」

「俺は当日の夜には。何しろ得物さえあればいいもんで。周辺はもう隈無く確認したっす。警戒箇所がいくつかあって、ちょっとした仕掛けをしてあるんで、これ見といてください。皆には通達済みっす」

「…セナはなんで貴方を料理人だと思っているんでしょうね」

「あれっすよ。セナ坊が初めてグレープフルーツ食べた時、砂糖かけてやったんす。酸っぱいのが甘くなったって、目ぇまん丸にして…ありゃかわいかった。まぁそれからっすね」

「それ何時の話ですか。セナも3年も一緒に暮らして気付かないとは…」

「ご隠居の執事ってのもなかなかっすよ…ってかセナ坊って第一印象で決めてる節あるじゃないっすか。刷り込み?ってんですかね。まぁ何よりまだ3歳児なんっすからいいじゃないっすか」

「もうすぐ10歳ですよ…多分」

「や、実年齢とかじゃなくて。精神的ってんすかね。三代目に引き取られてから人間になってるっつうか…ま、それを言うなら三代目も一緒っすね。流石に3歳児じゃないっすけど」

「傍から見て、ティムは変わりましたか?」

「変わった変わった!もう別人っすよ!前の三代目って性格捩じくれまくってたじゃないっすか。初めてセナ坊を連れて来て引き取ったとか言われた日にゃ天変地異の前触れ…って、すんません」

「いえ、私も我が孫ながら何を酔狂な事をと思いましたから」

「結果よかったんすよ。俺らもセナ坊のいない生活なんてもう考えられないっすから…ご隠居もっしょ?」

「無関心は罪だと、セナが気付かせてくれました。今更取り返しは出来はしませんが…」

「『取り返しのつかない事なんて世の中に溢れてる。お前だけが特別じゃない。嘆く暇があるなら足掻いてみろ』っしょ」

「そんな事も言っていましたね‥今思えば無責任な言葉です」

「でも俺はその言葉で救われた身っすから。この屋敷にいる連中は皆そうっす。その辺は三代目も解ってると思うっすよ…多分?」

「貴方も大概いい加減ですね」

「ハハ、褒め言葉っす。さて、まず荷物片しましょう。セナ坊の荷物は?」

「甘やかさない。本人にやらせます。セナは何処です?」

「あれ?一緒じゃなかったんっすか?」

「私を迎えに行ったのですか?行き違いか海にでも寄り道しているのか…まったく、あの子の落ち着きのなさは何なのでしょう」

「まぁ海見てはしゃいぐのもしゃあないっすよ。俺迎えに行きますよ」

「はしゃぐにしても、もう1週間以上此方にいるのでしょう」

「いやいや。今来たばっかじゃないっすか」

「え?私以外に今日来た者がいるのですか?誰です?」

「え?皆当日か翌日には(こっち)着いてるっすよ。何言ってんすか?」

「セナは今来たばかりだと、言いましたよね?」

「え?だからご隠居と一緒っしょ?」

「この大荷物の差配をするのですよ。セナの面倒まで見れる筈ないでしょう。まさかセナ一人で此方に来たのですか?」

「え?セナ坊一人で来たんっすか?」

「え?」

「え?」

「………」

「………」

「………私はセナと一緒ではありませんでしたよ」

「………俺もっすよ。ってか皆もそうっす」

「………」

「………」

「事々に話してましたよね?細々の決め事も作って…」

「はい。セナ坊も知ってると…話したんすよね?」

「え?あの時皆を集めて話してますよね」

「え?あん時セナ坊いましたっけ?」

「え?」

「え?」

「………」

「………」

「………」

「あ!どっかに隠れてるとか!?」

「だから何処にです?」

「…何処にでしょう?」

「………」

「………」


「「う´わぁああああああっ!!!セナァ~~~~!!!!!」」

ポール爺:ティモシー(ご主人)の祖父

リョウ兄:用心棒


一緒にいるのが当たり前過ぎて忘れてました。

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