表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある小間使いの独白  作者: 七転び
23/35

2/8

初パツキン家って事でさっそく探検しようとした俺を、好きにさせねぇとばかりに手を握ったまま、クレアちゃんはぐいぐい引っ張ってテラスに案内してくれた。

そこにハル様とヘタレ男がいた。知り合いだったんだ…あ、そうかヘタレ男が巡邏隊で、パツキンが警固隊だが巡邏隊だかの隊長だからその繋がりか。世間って狭い。でもラッキー。あんな形で別れたからきっとハル様は心配してた筈だ。現に涙目だ。俺は元気だよ~ってつもりで手を振った。ヘタレ男に睨まれた…俺、睨まれ過ぎだと思う。しかも金目の物を一切合切持ち出してドロンした筈のポール爺までいた。ご主人が釈放されたから戻ってきたのかな?それにしても情報が早い。ポール爺にも手を振ったらご主人も気付いて、ツカツカとポール爺に歩み寄った、と思ったらぶん殴った。

びっくりすると人間、何も出来ないのな。

血ぃ出てる…歯も飛んだ。まぁ仕方ない。逃げたって話ちゃったから。その本人が目の前に居たら文句の一つも言うってもんだ。殴るとは思わなかったけど。老体だろうと容赦しない、それでこそご主人です。

したらヘタレ男がご主人をぶん殴った。

ご主人に何するコノヤロー!死を持って償え!っと、勢いつけてヘタレ男に飛び蹴りしてやった。

びっくりしても人間、意外と動けるのな。


そっから阿鼻叫喚。てんやわんやの大騒ぎ。

何故かハル様がご主人に詰め寄ったので、へたれ男に文句を言われながらも俺はハル様とご主人の廻りをグルグル走った。だってハル様に飛び蹴りする訳にいかない。ちょっと袖引っ張ったり背中パンパン叩いたりしてたらハル様に抱き込まれた。その事でヘタレ男がご主人の胸ぐら掴んですっごい文句言ってる。足バタバタしたら靴が脱げてヘタレ男の後頭部に命中した。ナイス俺!

ふっと横を見たら飛んだ歯(差し歯だった)を拾ったポール爺は何事もなかったかのように、飄々とお茶の準備をしていて、お茶の産地をパツキンに訊いていた。そのパツキンはどさくさでクレアちゃんに抱きついて肘鉄喰らってた…高低差ありすぎて耳キーンってなるわっ!取りあえずお客様の中にお医者様はいらっしゃいませんかーっご主人の手から血ぃ出てるし、頬っぺ真っ赤っかに腫れてんですぅー!


そんな高低差を埋めたのはなんとクレアちゃん。3段特殊警棒でテラス窓を叩き割った。

鋭い硬質音の後の静寂を破ったのはハル様。俺を養子にすると、高らかに宣言した。

皆が呆気にとられる中「お断りします」とハル様の腕の中から俺を奪い取ったのはまたしてもクレアちゃん。


俺、モテ期到来。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ