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ある小間使いの独白  作者: 七転び
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9/9

相変わらずな超豪華な部屋で、苦虫を噛み潰したような顔をした変態殿下と、にっこにこ笑顔のご主人の部下の危なくない変態が出迎えてくれた。W変態。ナニコレコワイ。

ご主人の部下の危なくない変態…長い、変態部下はここでも明るく俺のプリチィーヒップを触る…もうね、この空気の読めなささにビックリよ。俺は空気も読める子なので、飛び蹴りはしないで思いっきり足を踏んづけてやった。変態殿下が羨ましそうに見てたけどシラネ。いつものルーティーンで飴ちゃん貰おうとしたらご主人に横取りされた。解せぬ。


ご主人と変態殿下は中央の、俺は隅っこの椅子に大人しく座った。ご主人の側を離れない意気込みだったけど、目の前にはアフタヌーンティーばりなテーブルセッティング。せっかくのおもてなしを無下にしてはいけないし、立って食べるのはお行儀が悪い。決してベリーベリーパイがあったからじゃない。

ご主人と変態殿下が署名やら捺印やら血判やらした書類を変態部下が確認して鞄へと仕舞っていく。その度に変態殿下は苦虫を噛み潰す。七匹目で数えるのやめた。いつの間にかご主人の手枷は外されてるし、ベリーベリーパイマジウマだし、ちょっとどういう状況か説明プリーズ。とりあえずお茶のおかわりします。2杯目はミルクを入れて飲むのが通だ。

変態部下がパタンと鞄を閉じたのと同時にご主人が席を立つ。

「多大なるお力添えとご温情を賜り恐悦至極に存じます。殿下のご高名を耳にする日が後進に道を譲る小職の幸甚の至りとなりましょう」

慇懃ぶ…ゲフンゲフン…な挨拶をしている間に変態部下が向かいの椅子に座って、フルーツサンドイッチを食べながらご主人の疑いが晴れた事を教えてくれた。


この変態部下が親戚のおばさんかってくらい話す。しかも女子かってくらいあちこちに話を飛ばすから超判り難い。どうにか話をまとめると、叩けば埃が出る筈なのに、叩いても叩いても塵一つ出ないご主人に痺れを切らした貴族院のA氏が、軍備費の横領を捏造した。捏造というより、A氏自身の罪をご主人になすり付けたと言った方が正しい。ご主人は何故か軍部では評判がよく、国防の要とも言える軍備費の横領などよもや考えられないと、早い段階で疑いは晴れていた。どうにか査問会から軍部へ身柄を移したご主人の協力で証拠を揃え、A氏の策謀と結論づけた。だが相手は貴族院、下手は打てない。手を拱いていたところに飛んで火に入る天下御免の王家の紋章、とおまけ(失礼な)。貴族のヤロウ共に一泡吹かせっぞっと、平民出の軍人さん達はそれはそれは盛り上がったそうな…

そして本日未明、国家転覆を謀ったと、罪を大盛りに盛られた首謀者A氏を捕縛。共謀、連座の大捕り物が変態殿下の名の下、軍部主導で行われた。

要約で「ご主人を はめたA氏が 返り討ち」でオケ。

ちな、首謀者が誰だったのか訊いても教えてくれなかったからA氏で統一すました!

「俺も頑張った!ご褒美頂戴!(意訳)」と変態部下が指で唇をトントン叩いたから、最後の一口だったけどベリーベリーパイをアーンしてあげた。変態部下は真っ赤になってぷるぷる震えてた。仲間に入りたそうにチラチラこっちを見てた変態殿下も真っ赤になってぷるぷる震えてた。変態のシンクロですね。わかりません。

いつの間にか俺の隣りの椅子に座ってたご主人がフルーツサンドイッチ食べてた。あ、俺まだフルーツサンドイッチ食べてない。「喰い終わったら行くぞ」と、またフルーツサンドイッチを2つも食べた。

ん?行く?拘置所に戻れるの!?ヤッフー!そうと判ればフルーツサンドイッチ食べてる場合じゃない。さぁ行きましょう。さっさと行きましょう。すぐ行きましょう…ってか俺小姓にならなくていいの?って、こっそりご主人に訊いたら、なりたいのかと逆に訊かれた。質問を質問で返された。なので、俺余計な事しちゃった?って更に逆にご主人に訊いた。頭撫でられた。ご主人がデレた!


俺とご主人のやり取りを見てた変態部下が(うずくま)ってもえ〜(燃え?モエ?)って叫びながら床をガンガン殴ってた。変態殿下は無言で壁をガンガン殴ってた。微妙にシンクロできてない。やっぱり変態はわかりません。

テイストは変わりませんが、次の話から痛い表現が入ります。苦手な方はご注意ください。

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