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ヘタレ男を門前払いした拘置所は、あっさりと門を開けた。
しかもご主人を閉じ込めている部屋にまで、誰の何の咎めもなくすんなりと入れた。
王家の紋章SUGEEEEEEE!
長椅子で寝そべって読書していたご主人…捕まっているのに何このリラックスモード。でも俺を見て目をまん丸にした。ご主人の驚く顔なんてレアだ。変態殿下と繋いでいた手を振りほどいてご主人に飛びつく。頬や腕や脇腹をペタペタと触る。
セクハラじゃないよ、怪我がないか確認してるだけだよ。知ってた?なんだ知ってたか…ちょっと痩せた?留置所のご飯ってリョウ兄の作るご飯より絶対美味しくないに決まっているから、グルメなご主人には拷問だ…まさかそこまで計算しているの?精神攻撃ってヤツか…やるな留置所。でも大丈夫!美味しい飴ちゃん持ってきたから。なんと、もこちゃんのお腹にはジッパーが付いていて中に物が入れられるのだ!知ってた?知ってるよね。もこちゃん買ってくれたのご主人だし。あぁ本をこんなに散らかして!ここには片付けてくれるポール爺いないんだから、片付けたげるね。ちょっ離してご主人!今日で最後のご奉公なんです!
うごうごとご主人の腕の中で藻掻いていると、ご主人は俺を見てた。チョー見てた。…黙れって事ですね。わかります。
俺が口を噤んだら、正解とでも言うようにご主人は小さく頷いた。ピタリと動きも止めた俺を膝に抱え直し、俺の両手を取るとそれで俺の両耳を塞いだ。聞かせたくない話をする気だな。でも聞いちゃうもんねー。
「事態をご説明願えますか。殿下」
流石ご主人!危ない変態が殿下って知ってた!
その後、事態のご説明を聞いたご主人は変態殿下の加護で安全な場所に移動し、身の安全を保証されるのであった。これが「ご主人お迎え大作戦改め、ご主人救出大作戦 with 変態殿下(長くなってきた)」の概略だ。なのになんでご主人と俺は拘置所の長椅子に座っているのでしょうか?俺が変態殿下付きの小姓になればご主人を助ける「取り引き」がなかった事にされちゃってるのでしょうか?
答え。ご主人が変態殿下を怒らせたから。
ご主人ぇ…




