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【REFUSAL】

 


「ウタさんは、月みたいな人だ」


 噛み合わない会話、すれ違う想い、揃わない足並みで、唯一同じだったことは眼前にある月の姿。

 淡く、儚く、けれども美しく。ただそこにある月を眺めていた二人の胸の内は、やはり違っていた。


「ウタさんはいつも明るくて、笑っていて、それでいて周りを笑顔にする力を持ってると思う。ウタさんの明るさは、いつも誰かの道明かりになってる」


 儚さに共感を覚えたウタに対して、ヒトシが見出だした類似点は明るさ、そしてその存在感。


「ウタさんが誰とも繋がってないと思っていても、ウタさんは絶対誰かの支えにはなってる。誰も空を見上げなくても、その姿が雲に覆い隠されていても、月はいつも空にある。そして、地上に光をもたらしてくれる。ウタさんは、そんな存在だよ?」


「……そんな事、ありえません」


 頬を掻きながら、照れ臭さを隠すように目を伏せるヒトシ。けれど、その言葉に納得がいかず、ウタは首を横に振る。


「ヒトシさんは、知っていると思います。元の世界での私はとびきり明るくて、周りの人も笑顔で居ることが多かったです」


「うん、そうだね」


「皆が笑顔で居ることは良いことで、私もとても幸せでした。満たされていると思っていました。少なくとも、そんな私を見てヒトシさんは月みたいだなんて言ったんだと思います」


「……うん、そうだね」


 元の世界での生活は、とても幸せに満ち溢れていた。ひょんな事で大きな笑いが起きて、ウタが笑い、その周りが笑い、大きな幸福へと形を変える。それは幸福と呼ぶに相応しいもので、自分もそう信じて疑わなかった。


「私は、いつしか思うようになりました。この幸せは、きっと私が作ったものなんだと。自分が皆に与えているものなんだと」


「……それは――」


「分かってます。それは、自惚れです。私個人に誰かを幸せにする力はありません。所詮、偶然生まれた幸福に便乗して我が物顔で皆に振る舞っているだけ。私はただの、他人に幸せを与えているつもりのピエロでした」


 自惚れても、仕方無かった。自分の周囲にはいつも人が集まっていたし、その人達は皆笑顔だった。故に自分は、いつしか誰かを幸せに出来ると思い上がってしまった。


「でも、同時に思うようになりました。私は、誰かを幸せにする力を持ってる私は、誰かを幸せにしなければならない(・・・・・・・・・)と。それが、私の義務であると」


 それも、思い上がりなのかもしれない。自分にあるはずの無い虚像の力を信じた結果、力を持つ者は為さなければならない事があると。自惚れた末路は、あるはずの無い強迫観念だった。

 そして、それは少しずつウタを蝕んでいった。


「以来、私は笑顔であり続けました。陰鬱な雨の日も、凄惨な嵐の日も、身内が亡くなった日だって、私は明るく振る舞ってきました。それこそが、私の義務であると信じて」


 無論、強迫観念によって生み出された笑顔は、あるはずの無いその明るさは、ウタへの負担になっていった。今までは何も考えずに笑えていた状況も、これは義務なのだと意識すれば愛想笑いへと姿を変えた。

 そして、そんな現実に疲れ果てたある日。


「そんなある日私は、私達はこの世界に来ました。そしてその日から(・・・・・)、私は誰にも認識されなくなりました」


「転移したその日から? イルシンクに渡された丸薬の効果じゃなくて?」


「はい、そうです。だって、あの日から認識されなくなったのなら、それまではこうして言葉を交わしてたはずです。でも、他の人ならともかく、ヒトシさんもそれを覚えてない。そうですよね?」


「……うん。なんだか、ゴメン」


「構いませんよ。というか、私はあの薬飲んですらいませんし」


「……そう、だったの?」


「そりゃそうじゃないですか。ヒトシさんがシャバーニさんと話している時もそばに居ましたけど、あの薬は普通の人間には猛毒だって言うじゃないですか。そもそも、自分が普通の定義に入っているかも不確かなのに疑わずに飲んだ皆さんの方が驚きです」


 思わぬタイミングでのカミングアウトにあんぐりと口を開けるヒトシ。それを何食わぬ顔で無視して「話を戻しますね」と言い放ち、ウタはまた語り始める。


「……今思えば、願いを叶えてくれたのかもしれませんね。あの頃の私は少なからず辛いと思ってましたから、誰にも認識されないという形で孤独を手に入れたのかもしれませんね。ともかく、私は皆を笑顔にする義務から解放された訳です」


 誰にも認識されないということは、誰を幸福にすることも出来ない。それはつまり、ウタの義務が達成出来ないことを示していた。


「それで、私は何を考えたと思います? 独りになった私は、どうなったと思いますか、ヒトシさん?」


 ふと、ウタは悪戯に問いかけた。いや、本当は悪戯ではなかったかもしれない。ウタにはヒトシなら答えてくれるという確信があったし、何より期待があった。

 そして、ヒトシはその期待に答えてみせた。


「……自分はちっぽけで、大した存在じゃない。自分は世界に必要な存在ではなく、居ても居なくても大して変わらない」


「……そうですね、概ね正解です。どうして分かったんですか?」


「独りになると、嫌な事ばかり考えるから。それに、ウタさんは自分がやらなきゃって義務感が強いタイプだと思うから、自分が居なくても普通に笑ってる皆を見て、そんな事を考えたんじゃないかなって」


「……凄いですね。ほとんど正解なんですけど、他人に言われるのは何だか良い気持ちがしませんね……」


「ゴメン、でも……分かるから。知った口を利くようだけど、僕にも似たような経験があるし」


 そうですね、と相槌を打ち、ウタは足元にあった石を池めがけて放り投げた。ポチャンと音を立て、一際大きな波紋が水面に広がる。

 あわよくば、雲が隠してしまった月を見つけ出してほしいと投げた石。けれど、その波紋が月を探し出すことはなかった。


 不意に、一陣の風が吹いた。この世界に季節があるのかは分からないが、春先の冷たい風に思えた。風に吹かれるまま、ウタは隣に座るヒトシへ目をやった。

 だが、ヒトシの表情は月明りの無い世界では見えなかった。いつもは好んで見る月も、今だけは憎く思えた。


 闇の中、沈黙と緊張が二人の間に佇む。

 枝から露が滴り落ちる音、風に葉が揺られる音、そして自分の鼓動の音が二人の耳には確かに響いていた。


 こんな時間が、無限に続いてしまうのだろうか。この一分一秒でも心苦しい関係は、いつ終わりを迎えてくれるのだろうか。

 水面を広がる波紋を波紋を眺め、いつまでも消えないそれに時間の経過の遅さを痛感する。笑っていればあっという間に過ぎ去ってしまう時間と言う奴は、俯いている時に限って歩みが遅くなる。


 ああ、もういっそ彼にも自分の姿が見えなくなればいいのに。

 ウタがそんな事を考えた――その時だった、


「ちょぉぉぉっとまてぇぇぇぇ! です!!」


 あのヒトシが、突然奇っ怪な声を張り上げたのは。


 声を張り上げると同時に勢いよく立ち上がり、何をとち狂ったのかウタの頭部めがけてチョップを繰り出すヒトシ。突然の奇行に、それもあのヒトシが狂ったということに少なからず驚愕するも、咄嗟に身の危険を感じたウタは白刃取りの要領でヒトシのチョップを受け止めた。


 そうして、また沈黙が訪れる。先程とは一風変わって、微妙かつ非常に気まずい雰囲気がその空間に生まれる。


「……あのぅ、何……してるんですか?」


 恐る恐る、奇行の訳を問い掛けるウタ。対するヒトシは照れを堪えて小刻みに震えている。その表情は見えずとも、白刃取りによって必然的に触れた手からそれは明らかに伝わってきた。


 ……ああ、これは完全にやってしまった。敬語だったあたりから察するに、恐らく昼間の意趣返しなのだろう。だとすれば、無様にも直撃を食らいその場でうずくまるべきだったろうに。


「えっと、そのですね、ヒトシさん。……ごめんなさい!」


「……べ、べべ別に? 僕はっ、元々コッコケコッこうしてウタさんに受け止められるつもりだったから? 全然別に?」


「途中でニワトリが出てきてますけど……」


 駄目だ、本当に失敗した。あのヒトシが強がりを言い出した。普段なら冷静に「すみません」と謝ろうものを、明らかに動揺して恥を隠そうとしてしまっている。余程の覚悟で事に臨んだのだろう。そのせいで反動も大きかったようだが。


 仕切り直しの合図か、沈黙を破るようにヒトシは一つコホンと咳払いをする。そして――、


「ちょぉぉぉっとまてぇぇぇぇ! です!!」


「あ、そこからやり直すんですね……」


 そしてまさかの二回目テイクツー

 先程となんら変わらぬテンションでまたチョップを繰り出してきたヒトシ。仕方が無いと諦めて、幸運にもまた巡ってきたチャンスを活用し、今度こそヒトシのチョップをその脳天に食らう。


「ウタさん! 貴方は勘違いしています! ええ、勘違いしていますとも! 徹底的に!」


「……ええ、私ってそこまでテンション高くないと思いますけど……」


 あくまでウタのスタンスを貫こうとするヒトシと、あくまでそれに水を差そうとするウタ。各々に譲れないものがあり、互いに主張する。その様子は沈黙とはかけ離れていて、先程のことが嘘のようで。

 そんな二人に誘われて、雲に隠されていた月もその姿を現す。


 そうして、ようやくウタの目にヒトシの表情が入る。それは予想通り見たことのないくらい紅潮していて、そして見たことのないくらい笑顔だった。


「僕は先程言いました、言いましたとも! ウタさんは誰かを照らす月のようですと! 誰かの月明りのようですと!」


「……ええ、まあ言ってましたね。それはそれとしてそのテンションやめてください。何だか私まで恥ずかしくなってきたので」


「いいえ! 止めませんよ! 正直僕もこのテンションで突っ切らないと挫けそうなので! 今すぐにでも池に飛び込みたい気持ちで一杯なので! 何なら飛び込み台用意しておいてください!」


 どうやらヒトシも引くに引けないらしい。ランナーズハイのような一種の極限状態にでもなっているのだろうか。だとすれば、なんと勿体無い極限状態の使い方なのか。

 全てが終わった後には骨を拾ってあげようと心に決め、ヒトシのテンションは諦めて話の続きを促す。


「……それで、一体何が勘違いなんでしょうか? ヒトシさんのこれ以上誤解しようのないくらいの恥ずかしい発言を、私はどのように勘違いしてるんでしょうか?」


「ウタさんってテンションが低いとただの毒舌ですね! 思ったよりもダメージ大きいですよ! ええ、大きいですとも!」


 ヒトシはその損害を表すようにグネグネとその場でうねり出す。テンションのせいで自分の個性がブレ始めていると気が付いているのか、先程よりも更に顔が赤く染まっている。流石のウタも、なら止めればいいのにと思わずには居られない。単刀直入に、見ていられない。

 そんなウタの視線に背筋を凍らせたためか、ようやくヒトシは本来の調子に戻した。


「……元の調子に戻しますけど、敬語はこのままで許してください、恥ずかしいので」


「……構いませんよ」


「それと、笑わないでください、からかわないでください、後になって思い出さないでください。……今ここに置いていってください」


「心配しなくても大丈夫ですよ。恥ずかしいという点に関しましては既にそのラインをとっくに越えてますって。生涯恥ずかしい思い出の殿堂入りしてますよ」


 冷静な調子で撃ち込まれる無限の撃にヒトシは大きく悶える。持ち直すのに数秒を要し、再度咳払いをしてから話を再開した。


「僕が言った誰かっていうのは、別に不特定の人を指した訳じゃないんですよ」


「……え? でも、誰かってそういう意味じゃないんですか? だとしたら、誰か特定の人を指してるってことになりますけど?」


「それで間違いありませんよ。だって――」


 一拍間を置いて、恥じらいながらヒトシはそれを口にする。


「その誰かって、僕の事ですから」


「――――」


「ずっとずっと、助けられてきました。初めて会った時も、訓練中も、昼間も、ずっと。目の前が真っ暗になって僕が不安になった時は、いつもウタさんが前を歩いて照らしてくれました」


「――――」


「……僕じゃ、駄目ですか?」


「……え?」


「確かに、僕以外の人にはウタさんが見えなくなることはこの先にもあると思います。そしてその度、ウタさんは傷付くと思います。皆にとって必要無い存在になってしまって、今日みたいに独りになりたいと思うかもしれません。……でも――」


 スッと、眼前に立つヒトシから手を差しのべられる。それは、まるで一世一代の告白のようで。思わず、ウタにも緊張が走った。


「僕だけは、ウタさんの隣に居ますから」


「――――」


「元の世界に居た時とは比べ物にならないほど、少ないです。僕一人です。でも、僕一人だけはいつでも、ウタさんを必要としています。だから、僕だけじゃ駄目ですか?」


 彼は言った。

 この世界に来て失った物はあまりにも大きい。それは生半可な物では埋められる物ではなく、今のウタを完全に救うことは出来ない。

 けれど、自分はウタを必要としている。以前のように多くの人から必要とされることは出来なくとも、自分だけはいつも必要としている。それだけでは、ほんの少しでさえも埋めることは出来ないだろうか、と。

 そしてその言葉は、確かにウタの胸に届いていた。


 それはそうだ。何故ならヒトシの言葉は、的確にウタの願いを射抜いていたのだから。

 誰かの役に立ちたい、誰かを笑わせていたい、誰かに自分の存在を証明さしてほしい。そんなウタの願いを、ヒトシは全て満たした。


「……それ、本気で言ってます? 私、結構面倒くさい人間ですよ?」


「大丈夫ですよ。それ以上に笑わせてくれればいいだけの話です。それに、面倒くささなら僕も負けてません」


「そう……ですね、負けてないどころか頭一つ抜けてました」


「……否定、してくれないんですね」


 自分の発言を昇華された上に返されてヒトシは言うまでもなく落ち込む。そんな姿を見て、ようやくウタも我に返った。


 そうだ、そうだった。この世界に来てから感じていた孤独を、自分はいつからか忘れることが出来ていた。それは他ならぬ彼と出会った日以降の事であり、間違いなく彼は自分を見ていてくれた。

 それは何も自分の存在を、と言った意味に限らない。確かに自分を認識するには彼の“眼”が必須ではあったが、何よりも彼そのものが、自分を見つめていてくれた。必要だと言って求めてくれた。隣で一緒に笑っていてくれた。


 それは自分にとって都合の良い話で、ヒトシに対する侮辱なのかもしれない。今まで見向きもせず関わろうとさえしなかったのは事実であり、必要となった今だけ好意を感じるのは虫のいい話であるのかもしれない。

 けれど、それを自覚した上でも、ウタの中で確かにヒトシの存在は大きくなっていた。その“眼”云々を抜きにしてももう二度と手放せないと思えるほど、ウタはヒトシ自身を想うようになっていた。


 ならば、差し出された手を払う理由などありはしない。


 差し出されていたヒトシの手を掴み、勢いよく立ち上がる。急にどうしたのかと訝しげな表情を浮かべるヒトシを尻目に、いつものような快活な笑みを浮かべた。


「ありがとうございました、ヒトシさん! 私はもうすっかり大丈夫ですので、帰りましょう!」


 自分はもう大丈夫だと示すための、最大限の笑顔を咲かせる。きっと、その意図が伝わったのだろう。突然の事に驚いていたヒトシも、やがてその口元を綻ばせた。


「なら、良かった。早く帰ろう。今ごろ師匠も思い出してると思うよ」


「そうですね、ちゃんと師匠に報告しないといけませんし」


 ウタの発言に、ヒトシは「報告?」と首を傾げる。

 そんなヒトシを見て、ウタは悪戯に言い放つのだった。


「ヒトシさんに慰めてもらいましたって!」


「ちょっ!? ウタさん!? 時間帯が時間帯なだけに別の意味に聞こえるんだけど!? カリファさんなら絶対にそっちの意味で取るであろう方に聞こえるんだけど!?」


「やーですねー。一体どういう意味を想像してるんでしょーかー? ワタシサッパリワカリマセン」


「物凄くあからさまだよウタさん!?」


 そんな冗談を言い合い、ふとウタは思う。

 今は前ほど誰かと笑い合うことは出来ない、それこそ出来てもヒトシとカリファ相手が精々だ。流石に以前に数は及ばない。

 しかし、だからと言って質で比べるつもりなど毛頭無い。相手が誰だから誰よりも幸せだなんて、そんな都合の良い物差しをウタは持ち合わせていない。

 けれど、確固たるものはあるのだ。孤独を知っている、ウタだから知っている。


 ――数がどうであれ、質がどうであれ、誰かと言葉を交わすことは、何よりも幸福なことだということを。


「ねぇ、ウタさん。一つだけ聞いていい?」


「何ですかヒトシさん? 何でもお聞きください、特別に今ならスリーサイズも答えましょう!」


「……元の世界に戻っても、友達のままでいてくれますか?」


 帰り際、先行していたウタを呼び止めて、ヒトシは問いかけてきた。それは実にヒトシらしい、平凡な質問だった。

 愚問だ。ウタとて、元の世界に戻ったからといってヒトシとの関係まで元通りにするつもりなど無い。むしろ、たとえヒトシが拒んだとしても強引に付きまとうつもりだ。

 そんな思いを言葉にしようとして、


「そんなの決まってるじゃないですか。当然――」


 ふと思い至り、そこで言葉を切った。


「ウタさん?」


 突如フリーズしたウタを見て、ヒトシは大きく首を傾げる。一方ウタは数秒に渡るフリーズの後、ヒトシを見て、晴れやかに、この上無いほどの満面の笑みで、言ってやるのだった。


「当然、お断りに決まってるじゃないですか!」


 それはそれはご丁寧に、握った手の親指を立てて。


 まさか断られるとは思っていなかったのか、その発言を受けたヒトシは無言で硬直して膝が崩れ落とした。しかも虚ろな目をして「ウタさん?」と何度も呟き始める始末。

 なんとも哀れなその姿を生んだ張本人はというと、これまた上機嫌にスキップまでしながら、ヒトシを置いて一人で帰っていってしまう。最後に、鼻唄混じりの呟きをその場に残して。


「……友達のままで、終わってあげるもんですか」


 その呟きが、ヒトシの耳に届くことは決してなかった。


 騒々しい二人が立ち去り、再び静寂を取り戻した池の畔。風も無く美しく均された水面が、華やかに天を写し出す。


 ――そこには、儚くとも決して消えはしない、美しい月が変わらず存在していた。




今回も読んで頂き誠にありがとうございます。

誤字脱字・感想等ございましたら是非お願いします。

一言でも作者のモチベーションは格段に向上します。

どうか今後ともよろしくお願いいたします。


さて、作者の書きたい事を全て詰め込んだ一話(前話を含めて)でした。いかがでしたか? 個人的にはヒトシはウタのように、ウタはヒトシのように、いつもの二人の立場を入れ替えて書いたつもりです。

それがどのように皆さんに受け止められたかは分かりませんが、僅かでも心に留めていただければ何よりです。


実を言うと、この話でヒトシサイドは一章完結になります。わざわざ章管理はしませんが、ここで一つの区切りだと思って頂ければ結構です。

次回からはいよいよタクが派遣されたオクタグラム=マギの方へとヒトシを向かわせる物語になります。

今まで全くすれ違わなかった話がようやく出会うわけですね(笑)。


では、また来週。誰か一人でも次の土曜日を楽しみにしてくれる人がいることを、願っています。

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