十五話 突撃、ブリュンヒルデム学院
本当に遅くなりました。
短いですが、次回の布石です。
お楽しみに
もう少し後に新作出す予定です。よかったらそちらもお願いします。
「なんというか……」
「何水臭い事いってるんだよ!見送りくらいさせろよ!」
「「そうですよ!(そうだ!)」」
「ファイト…」
「頑張るんじゃぞ!」
フィー先生………
行くって言ったって……次の日ってないでしょう。
思い立った日が吉日なんてどこの誰が決めたんだよ……
「カズマならいけるよ……わ…私も頑張る…から…」
マイカが応援してくれているが………やるせない…
みんなとのお別れも寂しいが、記憶が戻った事もあり、コトネが心配だ。
あいつ、バカやってなきゃいいけど…
「そんじゃ、私の後輩によろしく伝えておくれ」
フィー先生、帰ったら剣技ブチかましますんで覚えておいてくださいね。
こうして、お世話になったこの孤児院とも別れを告げる事となった。
ここまで能力のお陰で苦戦とかないけど、学院は違うんだろうなぁ………
なんか色々思う事があるけど、考えていたら気が滅入りそうだ、忘れよう。
「カズマ…」
ルークに声をかけられる。なんだ?ライバルを失うのが辛いのか?
「僕は君に次は勝ちに行く。それまで鍛えて、君にもう一度勝負を仕掛ける。それまで楽しみにしておいてよ。」
「おう、まってるよ」
ルークとも別れを告げ、馬車に乗り、新たな街に向かう。
王様達はまだ誰も倒してないが、とりあえず、シェルダートの王子だけは早めに仕留めよう、そう決めていた。
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???Side
「この学院に転校生ですか?」
「はい…何か能力を保持しているため、この学院に転入してくるそうです。」
「そうですか…わかりました。詳しい事がわかりましたらまた伝えてください。」
「了解しました。会長」
そう言うと、秘書に似た黒服の女性は部屋から退出する。
この部屋には会長と呼ばれた人だけがいる。
「さて、この学院は最近生徒の変化が薄くなっていたからちょうどよかったのかしら。まあ、楽しませてもらいましょうかね」
フフフ…と怪しげな笑みを浮かべながら、ティーカップをとり、中身を飲み干す。
「やっぱり、紅茶が一番よね」
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カズマSide
はあ……
遠い………
都市フェーデルナ
鉱山が多く存在し、それを加工する事で武器や防具が多く作られる冒険者の街
俺が向かう学院もその中にある。
剣術だけなら安心なのだが…能力持ちだけの学院って………
考えるだけで不安が出てくる……
ブリュンヒルデム学院
これが俺の向かう学校だ。
その多くは王族や隠された能力者を集め、鍛え上げる国が運営する学院だ。
この学院には特殊なルールがある。
この学院に在籍した場合、ランキングに掲載され、順位同士で争いが起きる。
一ヶ月以内ごとに150位以下になった生徒を退学させるという、日本ではありえない教育方式だ。
しかも、入学する前に教師と戦い、どの順位に入るか決められるため、スタートで低いとやばい…
3回まで再度入学ができるらしいが、負けてしまった人に勝てるほど甘くないのがこの学院なのだ。
「まあ、自分の実力はどれくらい通じるのか、試してみたかったしな、それに、王族がいるならそのまま倒してもいい」
馬車に揺られながら、パンをかじる。
うん、硬い。日本のパンが恋しい。
こうして、綱手一馬はブリュンヒルデム学院に向かっていく。
孤児院勉強編おしまい
次回 乱戦ブリュンヒルデム学院編