第十四話 決着、男の約束
遅くなりました。
よろしくです!
「そこまで!カズマの勝ち!」
抑えられていた声援が戻り始めた。
俺のところにみんなが駆け寄る。
みんななにか聞きたそうにこちらを見つめてくる、そんな中、マイカが駆け寄り抱きしめられた。
「どっどうした?マイカ」
「うん…おめでとう!カッコよかった…」
「ありがと」
後ろからも声が聞こえてくる。
「カズマ強いな!すごかったぞ!このずばばばーんって感じで!」
デアが興奮気味に語ってくる。
「デア、疲れてるだろうし説明は後にして貰えばいいでしょ? カズマおめでとう。ルークに勝つなんてすごいね!」
「結構ギリギリというか…能力のおかげ?」
「能力持ちだったの!凄い!じゃあ、ルークが負けるのも仕方ないか。」
能力持ちって少ないのかな?そこらへんは聞いていなかったが。
まあ、こんな凄い能力はなかなかもってる人いないよなぁ…。
「カズマ……」
ルークがこちらを見つつ、近づいてくる。
その目には流石と讃えるかのような敬う気持ちが出ているように思えた。
「おめでとう…まさか負けるとは思わなかった。能力持ちなんて聞いてないよ」
「すまん、能力は当たり前のように使ってたからさ。なかなか使える人はいないのか?」
「そうだね…使えても勇者の一族、または稀に生まれる特異な子供たちくらいだよ。逆にカズマが持ってることに疑問だよ、もしかして、勇者の一族だったり……するのかい?。それだったら言葉使いも改めないといけないんだが…」
能力持ちって少ないのか……って!なんか要らぬ誤解を受けてる!!
「違う違う!俺は別に…」
「ふふ、冗談だよ。あそこの連中はいつも威張ってばっかだからな、カズマはそんなことないだろ?」
まあ、そうですけどね。
静かにため息をつき、笑う。
ルークとはなにか喧嘩別れみたいになってしまったみたいに感じられたが、そんなことはなかったみたいだ。
そのとき、「カズマ。ちょっとこっちに来なさい。」とフィー先生から声がかかる。
なにか怒られるのか?という気持ちもあったが、とくに何も顔には出ていなかったのでとりあえず向かうことにした。
「フィー先生、どうしましたか?」
「カズマ。私はね、お前さんを学校に推薦しようと思んじゃよ。」
突然の誘いに驚きを隠せなかった。
その顔をみて、先生は大いに笑っていた。
「ァハハハハ!カズマ、何をそんなに驚いているんだい。さっきの動きを見れば決めるのは当たり前だろう。」
それは能力のおかげだ…と言いたかったが…その後の会話で聞き逃すことができなかった。
「それに、カズマに推薦状が届いてるよ。宛名は…テオトル…聞いたことはないさね。カズマの知り合いかい?」
俺はその名前に聞き覚えがあった。
だが、肝心なことはわからない、フィール先生の手から手紙を奪い取り中身を確認する。
「そうか………」
その文章は俺の記憶に関することだ。
推薦状なんかじゃない。
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綱手一馬君へ
これが届いたってことは君の心は強くなったってことだよ。
これなら、安心して記憶を返せるね。
あのときはどうなることかと思ってヒヤヒヤしたよ。
なかなか干渉は出来ないから回りくどいやり方で送ったけどいいよね?
これなら目的も達成できる日も近いだろうし、応援してるよ。
別に焦らないでも、君がめっちゃ強くなってから挑んでも構わないからね〜でも死ぬのはダメだよ?
また新しい人探すなんて僕にはごめんだからさ。よろしくね。
※ついでにコトネを探してくれるとありがたい。あいつ、勝手についていった挙句どこにいるのかわからなくなったから見つけたら連れて行ってあげてくれ。
この手紙を読んだ後、頭になにかが流れ込んでくる。
きっとなくした記憶だろう。
目的、コトネのこと、いろいろ思い出してくる。
「そっか……ううう………」
首無しのアレを思い出してしまった。
強くなったとはいえ、なれるわけがない、しばらくテンションは下がったままだった。
「さて、どうするんだい?行くのか、行かないのか?」
「行きます。よろしくお願いします。」
フィール先生は笑顔でこちらを見ている。
そんな先生から、嫌な言葉が告げられた。
「まあ、能力持ちが多い危険な学校だけど、カズマなら生き残れるさ」
「えっ!?」
こうして俺は危険な能力持ちの多い『ブリュンヒルデム学院』に入学することとなった。




