第十二話 決戦準備
いつも通りの朝が始まる。
今日も剣術の稽古をする。
繰り返し行っているが....なにか足りないものがある気がする。
「あの夢の中であった人になんとかまた会えないものかなぁ」
夢の中で出会った存在。
おれはきっとなにか知っている、取られた記憶のなかにもっとたくさんの知識、やるべきことがあるのだろう。
「もっと寝たら返してくれたりとかないか...」
「何を独り言を呟いてるの?...」
本を閉じてマイカがこちらを向いている。
余程声に出ていたのだろうか?
「気にしないで、夢の話だから」
そう...と頷き、また本を読み始めた。
「さて、あと三日...なにか対策できることあるかなぁ...」
約束の模擬戦まであと三日となった。
俺は清々しい朝の空に向かってため息をはいた。
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孤児院の近くの森で剣を振るう音が聞こえる。
「何かが足りない。体力、力、バランス、どれも鍛えたはずなんだが...」
ルークもまた、伸び悩んでいた。
「後は、誰かに相手してもらって苦手部分を見つけるか...」
「なら、手伝うぞ。」
少しの突風があがり、ファウカーが何もない場所から突然現れる。
「なんだ、ファウカーか。頼むよ」
「承知」
このメンバーにおいてファウカーが突然現れてもなんとも思わない。
彼はそういうやつだという理解で統一されている。
「カズマには勝てそうか?」
「五分五分かな、何か強力な技でも使われない限り負けはしない。剣術なら僕が上だからね。」
ルークは剣を掲げる。
そして、降り下ろす。
右手がいくつにも見え、斬撃が繰り出される。
近くにあった木がな何回も切られたかのような傷跡を残す。
「僕は王都で騎士になる男だ。リーダーとして一番強くなくてはいけない、そして守るんだ。自分がてにしたものを」
心のなかでも唱え、復唱する。
「はやく、始まらないかな。」
そう言って、ファウカーとこの場所を後にする。
こうして、三日という
期間はあっという間にすぎ、
試合の日へとなる。
孤児院の庭に集まる。
ほかの孤児たちも見学に来ていた。
「やっちゃいなさい!ルーク!」
「カズマ!まけんじゃねーぞ!」
「どっちもふぁいとー!」
いろいろな声援が飛んでくる。
そんな中、その本人たちが入ってくる。
「カズマ、まずはありがとう。僕が頼んだ試合を受けてくれて。」
ルークは礼をする。
そして告げる。
「そして、ごめんなさい。君をここで倒して、ライバルを減らす。」
俺はその言葉に
あえて、ラノベ的表現で返そう。
強敵や悪と戦う主人公は戦う前に決め台詞をいう。なら......
「ぐだぐだ抜かすな。さっさと剣を抜け。そして、始めよう」
「俺たちの喧嘩を」
風邪を引いたので、明日は投稿できたらやります。




