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エギュンー1ー
(殺してやる…)
(俺から全てを奪ったやつらを…)
(復讐してやる…)
(…この戦争を引き起こしたあいつらに…)
緋蘭大国の中心都市にある研究室で、少年は手術台に仰向けになっていた。
鎖で繋がれている手が震えている。
「怖いだろうな。これの成功率はまだ10%程度。失敗すれば君は死ぬ。だからと言って君に拒否権は…」
少年は研究員の言葉を遮り、
「必要ない。俺にはこれしかない」
と言うと少年の手の震えは収まり、研究員はニヤリと笑った。
「そうだ。お前の求める力を手に入れるにはこれしかない」
「俺に、【神の力】を…」
「良い覚悟だ。君はきっと手に入れる。この素晴らしい力を」
研究員は持っていた注射器で少年の腕に液体を入れる。すると、
「ぐあっっ…あああああああああああ!!!!」
研究室に鎖が擦れる音と少年の悲鳴が響いた。