エギュンー11ー
**今回少しだけグロい表現が入ってます。
突然建物全体が揺れ始めると、研究室の至るところから水が噴き出し、そこから龍のような姿をした悪魔が現れた。ヒロセは冷や汗を大量にかき、恐怖で全身を震わせていた。
「え、エギュンだと……!?!?あの四大悪魔の…」
「ほう…エギュンを知っているのか」
「あいつが…あんな悪魔を…!?そんな情報は…どこにも…」
「あいつを排除しろ、エギュン」
エギュンと呼ばれる悪魔は口を開き、力を溜める。
「おい、お前たちどうにかしろっ!おい!何をしている!?」
「うわあああああああああ」
ヒロセは兵士に命令するが、兵士の1人が悪魔を制御しきれず呼び出した悪魔に喰われてしまった。
「な…」
「マジかよ…」
「た、助けて…助けてくれーー!」
別の悪魔がもう1人の兵士を睨みつけ近づく。兵士は腰を抜かし後ずさりするも、すぐに捕まり喰われてしまう。
兵士を喰らった悪魔たちはヒロセを見ている。
「何をやっている…悪魔共。喰うのは、お、俺じゃない…。あいつを喰うんだよ!」
震える指でウィルを指す。が、2体の悪魔は見向きもせずヒロセを一層睨み、オーガはヒロセを掴み頭と足を引っ張った。
「やめ…助け…」
そしてヒロセの体は2つに引きちぎられ、無惨に地面に転がった。
「うえっ…」
「ベル、お前は見るな」
モーガンはベルガンの顔を自分の胸元に引き寄せた。
「興味本位で悪魔に手を出すからだ…哀れな」
ヒロセを殺した悪魔たちはウィルを見るが、攻撃をしようとはしない。
「どうなってるんだ…」
ウィルは何かを悟ったようだった。
「エギュン、もういい」
エギュンは姿を消し、噴き出していた水も青い光となって消えた。
「王子、何を!?」
ウィルは2体の悪魔に近づく。
「正気か!?殺されるぞ!」