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優弥と美優
優弥がピアノをやめたのは中3の初夏だった。
なんでやめるのかと母親に言われた。優弥のほうが美優より素質があると先生にも言われていた。
高校受験でピアノなんてやる気にならないと言い訳をした。
いつも、あいつが美優の友達のあいつが俺のピアノを聞きにくるのも恥ずかしかった
また三山がおまえんちに行ってたんだってなとあからさまにクラスの男子からからかわれるのが嫌だった。
何より、美優の不機嫌な顔を見たくなかった。
名前通り、美しい美優。
男子からも人気が陰ではあったようだ。ただ、美優はおとなしく静かなので、表立って自分のように人気があったわけではなかった。
(美優が好きだった。妹として・・・?いや妹だけど妹じゃないような?)
美優の弾くピアノの曲が好きだった。おとなしいくせに、ピアノを弾くときは大胆になり、美優の世界ができていた。俺なんか、ただ弾いているだけだったような気がする。感情なんかこもってなかったのに、先生も母親も俺のほうがうまいと美優に聞こえよがしのように言っていた。
練習をいくらでも頑張る美優。
おとなしいけど、芯が強い美優。
知世と楽しそうにしゃべっている美優。
でも、美優は俺を無視していた。
美優、もう、会える日はこないのだろうか・・・




