表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5月のまぶしい空  作者: 青井 海
14/39

知世と優弥

知世ちせ優弥ゆうやに怒っていた。


(デリカシーがない)

(私、バカって言われてるみたいじゃない)


美優みゆが公立高校の入試を白紙で出したことの告白を聞き、それが、知世と一緒の学校に行きたいからだという理由だったと優弥は言った。


優弥は、高校に入ってから、たまに知世の家にやってきて、連れ出しては、美優の学校の様子を知世から聞き出した。


優弥に怒っているのだから、用事があると言って、邪険にすればいいのに、一時期惚れた弱みなのか、知世の人の好さなのか、聞かれるがまま、自分が知っている範囲で優弥に教えた。


たまたま二人がブランコに座って話している姿を見かけた、元同級生から冷かされたことが何度かあったが、知世は優弥は優弥のデリカシーのない発言以来、どうでもいい存在の気持ちもあったので、言い返しもしなかった。

かえって、優弥のほうが、ごめんごめんと知世に謝っていた。

(あやまるくらいなら、私を呼び出さなければいいのに)


知世にとって、中学校では憧れの存在だった優弥も今では、ただの友達のような、それがたまたま異性だったというような扱いだった。


 「おまえ、中学校のころは、俺に話しかけるときは、なんか恥ずかしそうに話してたのに、今じゃ、ためぐちだし、口悪いし、えらく変わったよな」

優弥がぼやいた。


 「あんたさ、おまえって言い方、私にやめてくれない?美優のお兄様だから気をつかっていただけです」

そのころから、知世も応酬するようになったのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ