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5月のまぶしい空  作者: 青井 海
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入学式前日

知世ちせはミッション系の女子高の制服も学生鞄もすべて入学式の前日の午前中には母と一緒に注文していたデパートに取りに行った。


家に帰ってから、

 「けっこう、制服かわいいね」

ウキウキしながら黒地に白いラインのセーラー服を着て、白いリボンを結んで母に見せていた。


 「制服だけでなく、ちゃんと勉強してよ」

と苦笑しながら母は言った。


その日の午後だった。

優弥ゆうやが知世の家にやってきた。


ドキドキしながら、知世は玄関で応対する。ちょっと痛い気持ちだけど、初恋の人と面と向かって話すのはやはり気分が高揚するような気もした。


 「話があるんだ」

優弥は知世を近くの公園に連れ出した。


(まさか、私へ告白?)

都合のよいことを考えながら、知世は優弥の後姿を見ながらついていった。


 「美優のことなんだけど・・・」


(なんだ、美優のことか)

美優には少し悪いが、自分の勝手な憶測と違って知世はがっかりしていた。


 「美優、三山みやまと一緒の女子高に行くんだよ」


美優からは聞いてなかったけど、美優と同じクラスの子から聞いていた

と知世は答えた。


 「三山、美優をよろしくな」


 「え?なんで?美優は友達だけど、改まって、なんでお兄さんの木島きじま君が言うの?」

つい口に出てしまった。


美優は、三山と一緒の学校に行きたいから、試験を白紙で出したんだ


 「え?そうなんだ・・・」

 「美優と一緒の学校でうれしい・・・」


 「あー良かった。三山が美優の近くにいてくれて」

能天気に優弥は言った。


 「ごめん、明日の準備があるから・・・」


 「あ、ごめんごめん、忙しいのに」

優弥は知世に申し訳なさそうに言った。


(聞きたくなかった)

顔面蒼白で知世は駆け足で家に帰って泣いた。不合格を目の当たりにしても泣かなかったのに・・・


美優の実力なら、余裕で合格しただろうに、てっきり前日までの風邪の調子が抜けきってなかったのかと思っていたのになんで?



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