表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5月のまぶしい空  作者: 青井 海
1/39

ラベンダーの香り

青春や友情ってキラキラして素敵なもの。失敗しても、ぶつかっても、またやり直せるよ。そんな前向きな気持ちを登場人物たちに託して書いたつもりです。まだまだ表現力はありませんが、読んでいただけたら嬉しいです。

 「このにおい、なんだっけ・・・?柔軟剤じゃないよな?」

優弥ゆうやが言った。


 「ここどこだと思ってんのよ」

あきれ顔の知世ちせが言う。


そう、ここは植物園の一角のハーブ園。ミントやローズマリー、ラベンダーが鬱蒼と生えている。

今は植物の生命力がみなぎる5月も後半、新芽がどんどん伸びていく季節。


(あ、木島きじま君はどれが、ミントのにおいかラベンダーのにおいか区別がつかないんだ、男ってそんなもんか)

知世は木島優弥を小ばかにしたことを思った。


知世は私立女子高校3年。ミッション系の学校なので、男とのデートはご法度のはずなのに、中学校の同級生の優弥、公立高校3年とデート?している。


しかし、柔軟剤なんて発想が貧困だ。優弥は、相当男くさくて、おばさんが柔軟剤使いまくりなのだろうかと考えながら、ちょっとローズマリーをちぎってみる。ほんとはいけないことは重々承知で。


 「ローズマリーがね、こんな、においよ」


 「ローズマリー?なんか柔らかい松みたいな感じだな」

と優弥が間抜けなことを言う。


知世はあきれ顔で、次は、ミントの葉っぱを触るように優弥に促す。


 「あー、なんかアイスの上にのってるやつか」


(あんたは食べ物でしかぴんとこないのか)

さらにあきれ顔で思いつつ、ラベンダーのほうに向かう。


優弥がついてきて、ラベンダーを触る。まだ花は咲いていない。咲くのは、来月くらいだろうか。


 「これ、美優みゆが好きだった花か・・・」


(あー、そうだった、これは美優の好きな・・・)

しまったと思ったわけではないが、いや、優弥と美優を思い出すために、知世はここに連れてきた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ