紅(くれない)の日々
すいません、警告はしてませんがR-15相当の内容になる恐れがあります。
注意して閲覧してください。
.......。
どのくらい、眠っていたんだろうか。
身体が重い........。
「大丈夫?」
なんだ、美汐か。
身体を起こし、授業に向かおうとする。
「だめだってば!!」
起こす身体を制御させられた。
美汐によると、あの転校生の紹介の後に、俺は倒れたらしい。
何故だ.....?
少しの反吐感を抱きつつ、また眠りについた。
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「大丈夫かよ、唯山」
心配してくれる同級生を軽くあしらい、教室に向かっていた。
ガラガラッ
やっぱりいるのかよ......
俺の知っている早茅より、少し大人びている。
本人という保証もないのに、あの日の早茅と重ね合わせてしまう。
そんな自分が少し嫌になった。
「あの子、気になるの?」
美汐は、俺に尋ねた。
「似てるからね…」
当の本人は、不思議なオーラを纏っていて、窓の外に眼をやっている。
「私、死んでも良いと思ってる」
あの日の少女は、死ぬ3日前にそんな事を言っていた。
「お母さん、昨日、包丁を投げてきたの」
誰に投げてきたのかは、すぐ分かった。
少女は全てを語った。
包丁を投げてきたあと、何度となく両親に殴られて、父親に無理やり性行為をさせられたと......
辛くないのかと聞いた。
辛くはない。だけど、悲しいと言った。
少女の膝や顔には、血糊がべったりとつき、性行為のせいか、一人で歩けていなかった。
「天国って、どんなとこだろうね」
その言葉に、俺は戦慄した。
いつか、こいつは死ぬかもしれない。
未然に防ぐ為に、俺は正気かと聞いた。
「あ....ははっ!冗談だよ!」
そこで、俺は気付けばよかった。
瞳の奥の
悲しみの色に。
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