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出会い

これは、大学生のモモちゃんの初恋のお話です。

「はやく幸せになりたい」





大学からの帰り道、ふと何気なく呟いた言葉は、私の悪い口癖かもしれない。


「「いやだからさぁ、あんたそれよく言うけど、幸せってなんなの?抽象的すぎて、そんなんじゃ幸せ逃しちゃうよ。」」


と、こちらに目もくれず、冷ややかな口調で聞いてくるのは、友人のカノンだ。カノンとは高校からの仲で、同じ大学に進学している。



「うーん、はやく彼氏ほしい。いや、やっぱ好きな人ほしい。好きじゃない彼氏はいらないし。」




私は今年19歳になるが、まともに誰かと付き合ったことはない。女子校だったこともあり、高校時代の青春を完全に逃してしまっている。出会いがないことを言い訳にしているけど、中学の頃なんかより随分と垢抜けたと思う。

恋愛以外は今のところ人生順調なんだけどなあ……。男運が全くないんだと自分に言い聞かせて心を落ち着かせる。



「「んー、まあいつか良い出会いあるっしょ。じゃあまた明日ね。」」



相変わらず他人にそこまで感情移入しないカノンに救われる。私は慰められたい訳じゃない。


駅の改札の人混みに揉まれながら、カノンに手を振った。





ひとりになった私は、駅の壁に寄りかかり、スマホを手に取った。後ろに人がいないことを確認し、慣れた手つきで出会い系アプリを開く。


うーーん、どいつもこいつもパッとしないなあ。


アプリって実際に会うまでが本当に面倒だ。

しかも会ってハズレだったら最悪すぎる。


自分にしか聞こえない声でぶつぶつと呟きながら右手で素早くスワイプしていく。





……んー、まあこの人でいっか。


顔写真は今どきの加工でぼやけていたけど、プロフィールの雰囲気に直感で惹かれた。決定的なものは別になかった。



ーーー18時から会いませんか。ーーー

送信っと。


正直言って、バカ真面目に「はじめまして〜」だとか、「何歳ですか〜」とか、長文のメッセージで話し合うより、さっさと一回会って色々知りたい。

私はあまり初対面でも人見知りしない方だ。




ピコン

え、はや。返信もう来たじゃん…。



ーーーいいですよ。ーーー


………。はあ、?返信内容それだけ?

どこで集合とか話進めてくれないんだ。

萎えながらも今日はこの人に賭けていた。




ーーーじゃあ18時に花町駅で集合しませんか。ーーー




ーーーわかりました。ーーー




んー、まああんま気乗らないけど一旦行くか…。

スムーズに会うことが決まったのはありがたい。

何より今日バイトないし。絶対アプリの誰かには会いたい気分だった。

今まで出会った男の中で、もう一度会いたいと思える人がいないこともあって、余計にフットワークが軽い。

出会いは行動あるのみだ、と自分を奮い立たせる。




ってかやば、結構時間ギリギリじゃん。


((どんな人なんだろう))


期待なんて、と思いながらも、この瞬間だけは毎回期待を膨らませてしまう。

アプリで会った男の人数はとっくに数えなくなっていた。

いろんな男に会ったけど、この瞬間のアドレナリンはこれでしか味わえない。知らない人との待ち合わせって未知の体験でぞくぞくする。



なんだかんだで花町駅には待ち合わせの15分前に到着した。向かってるときはいいんだけど、到着すると帰りたくなるこの現象は一体なんなんだろう。


もうなんかやっぱり会いたくなくなってきた。胃が痛い。ブッチして帰ろうかな、と思いながらもアプリを開いた。


ーーーもうすぐ着きます。ーーー



ええこいつ本当に来るじゃん。こんな直前の誘いに急に来れてしまうフットワークの軽さって大丈夫なのかな…。

自分が誘ったことを棚に上げておいて急に不安が募る。集合場所まで来てしまっているのに、この男が来ないでほしいとも思った。


はじめまして^_^


是非

ゆるく読んでいってください

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