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エピソード0として追加しました!
ネタバレを含む為嫌いな方は飛ばしても問題ありません。
夕暮れ時の荒野に1人の男がいる。
男は白銀の髪を少し長めに伸ばし、右目には大きな傷を負っているようで右目を閉じている。
肩からは黒い外套を羽織っており、外套から出ている腕は鍛え上げられたその肉体が伺える。
そして何より目を引くのが、男の手にしている禍々しい槍である。
槍は全体的に黒く石突から穂先まで赤黒い模様が入っており、その模様がまるで生きているかのように脈動しているように見える。
「いくぞアート」
【了解ですマスター】
辺りには誰もいないが、男が声をかけるとその声に応える綺麗な女性の声がする。
男は黒い外套を翻しながら荒野を猛スピードで駆ける。
眼前には荒野を埋め尽くさんばかりの異形の魔物達。鬼の様な巨人や巨大なミミズの様な魔物、空には羽の生えたトカゲの様な魔物など、その種類は千差万別だが、どの魔物も人間など簡単に押し潰してしまえる様な魔物ばかりだ。
男など簡単に魔物の波に飲み込まれてしまうだろう。
「アート」
【はいマスター】
男が名前を呼ぶと、巨大な竜巻に、地割れ、目を覆いたくなるほどの激しい落雷など、天変地異が起きたかの様な現象が次々と魔物達を襲う。まさに阿鼻叫喚だ。
そして男が槍を引き絞り突きを放つと男の周りにいた魔物達は余波で弾け飛び、その直線上には大きく抉られた地面だけが残る。
辺りには魔物の血が降り注ぎ濡らし、抉られた地面には血の水溜りができていく…
男の綺麗な白銀の髪も空に浮かぶ夕暮れの様に赤く染まっていた。
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