表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/20

第5話.ある平和な家庭の一日

 たまには、家族と一緒にのんびりするのも良いだろう。


 そう思わされたのは、師走の忙しい時期に木造からの進言だった。


「殿、仕事に根を詰めすぎでございます。何日もご家庭にもお戻りになられておりませんし」


「そうは言うがな、京の街で狼藉や借金取りとの対応でお前達も休んでおらんだろうに」


 そう言うと安井も木造と同意見のようだ。


「我々は、殿の家人(けにん)でございます。それとも、我々が頼りないと仰せですか?」


 そう言われると、俺も黙って従うしかない。


「そうだな……仰木丸(おうぎまる)と千代の顔でも見ておかないと、父の事を忘れられそうだ」


 それを聞いて、全員で笑い合う……俺は、良い部下を持ったものだ。



 そういう訳で三日ほど暇を出され、仕事場から追い出された。


「おお寒い、寒い。よし、家で燗でも付けて家族サービスと行くか」京の街を歩きながら、ぶつぶつと呟く。


 それにしても、京の町は随分と活気が戻ったものだ。


 数年前に油売りをしていた頃は、活気がなさ過ぎて呆れたぐらいだったのに……。


 そんな懐かしい思い出を振り返りながら、家に戻る。


「おう、ただ今帰ったぞ……お前達、父の顔を忘れてはおらぬだろうな?」


 二人の妻がクスリと笑い、二人の子供が抱っこをしてくれとせがむ。


「ようし……ほら、高いぞ、高い! 苦しゅうない、面を上げい! むむっ、鼻高なれ、米安なれ……。ふふん」


 そんな感じで、家族水入らずで食事を取り、若干字画の多い川の字になって寝る。


「……あなた、お仕事は順調ですか?」伊都は、こちらにすり寄りながら聞いて来る。


「ううむ、まだまだ復興は先だな。人も集めねばならんし、店や家の建築も手一杯だ」


 うとうとしながら聞いていると、今度は九条もやって来る。


「寂しゅうございますね。たまには、こうやって帰って頂きたいですわ」


 俺は、少し罪悪感を覚えた。完全に俺の失敗だ……家庭を顧みない父親失格である。


「すまんな、今度は部下に請われる前に休むようにする。ほれ、堺で魚釣りにでも行かんか?」


 そう言って誤魔化そうとすると、二人の妻に折檻された。閨で……だがな。



 翌日、手弁当を片手に利休先生の元に向かう。堺の店も繁盛しており、特に問題はなさそうだ。


 だが、店を見ていた俺を伊都がこちらを抓る(つねる)


「あなた……また仕事ですか……? それとも、嫁でも増やすおつもりで?」


「いや、もう十分嫁はおる……お前達で足りておるから、増やすつもりなど無いぞ」


 九条も、クスクスと笑いながら皮肉を言う。初めて会った時より随分とはっきりモノを言うようになった。


「さぞ女人に騒がれるでしょうね。なにせ、あの『鈴なりの美男子』ですから」


「やめんか、あの話はもうずっと前だ。確かに背は高いが、戦もままならん『ウドの大木』だぞ!」


 この時代の平均身長は、150cmもあれば高い方だ。俺がデカいのではない、周りが小さいのだ。


 しかし、武士というより俺は商人が似合っているのだろう。戦働きは諦められている。


 せいぜい鉄砲を集めて、音と近距離で敵を倒すのが関の山である。


 まだ、鉄砲の量産化は進んでいない。職人芸の限りを尽くし、やっとの思いで一丁造るのも時間が掛かる。恐ろしい程の銭が飛ぶのだ……。


「……ううむ、しかし……いやぁ!? あぁ……そうさのう」思わずその場で考え込む。


「あなたッ!! 仕事の話は終わりですよ……今日くらいはしっかりと英気を養ってください」


 伊都と九条に叱られた……さもありなん。


 ふむ……どうも、現代日本人の癖だ。一旦気になると「カイゼン」だの「効率化」を考えてしまう。


 職人達には改良を促しているし、どうにもならんことはある。


「そうだな、仰木丸(おうぎまる)に釣りを教えてやろう。京の街では見られぬしな」


「それが宜しゅうございます……釣り糸を垂れながら下天の先でもお考えになられては?」


 流石は公家の生まれ。九条が言うと説得力がある。


 ……まぁ、京言葉でいう「いけず」の可能性も無くはない。


 ともあれ、港で釣りに興じる。ハゼだの小魚だのをちょっと釣ったくらいで、大した量では無かった。


 だが、初めて見る魚に仰木丸(おうぎまる)と千代は大喜びだ。


「とと様。こちらも『とと』に御座います」


「ぴちぴちはねて、楽し―」


 おうおう、そうじゃな。こうして家族水入らずで休んでいると、仕事の辛さも吹っ飛ぶ気がする。


「いかんなあ、仕事で筆ばかりを扱っておるから、肩がこっておるな」


「あなた、私達で揉みほぐして差し上げますよ」


 まあ、いつもは揉まれる立場だものな……自分達で揉んでみたい様だ。


「あぁ、頼む……このままでは腕が上がらんようになるしなぁ」


 腕が上がらないのは、鉄砲や剣術も同じなのだが……どうも、俺には才能が無いらしい。


 合戦は誰かに任せて、お飾りになるのに限る……。


 男としては情けない限りだが、役に立てるのは算術や書類の整理位のものだ。


 ……武士になるとは言ったが、どうにも骨の髄まで商人や数寄者のようだ。


 珍しい壺や刀剣の類。書物や掛け軸を見ると、心が躍る。


 松永の殿も、茶器や釜など様々な道具を愛している。


 権威や面子よりも、実利の方が好いている……根っからの商人なのだろうなぁ。


 だから、頭を下げろと言われても平気で下げる。


 やれ権威だの、武士としての誇りだのと言われても、困る……そう言う意味でご同輩な訳だ。


 まったく、あの爺さんも大殿も何を考えているのやら。


 朝廷への寄進もその一つ。普通なら、軍備やら自分の金にして自由に使えばいい。


 ……何で、そんなにまどろっこしい事をするのやら。


 その件を聞いて、今はお勧めの茶器や名物を利休先生に集めて貰って渡している。


 明からの書跡なども、喜んで頂いた。


 ともあれ、地道に商いを続けないといけないって訳か。飽きないようにな……。


 夕暮れになって、皆で手を繋いでお家へ帰る。


 ま、最悪この家族を飢えさせない程度に頑張れば良い。


 無理をしてどうにかなるのならするが、のんびりと時が過ぎるのもまた乙なものだ。

家族サ―ビスの回ですね。何にも起こらないのが一番です。


「鼻高こうなれ 米安うなれ」は実際に子供の頃に聞いたし、自分もやってたwww


突然、突飛な行動をする戦国転生ものは、出来ればやりたくない。


内政チートと言われても、この程度で進めるのが良い。


物語は、緩急つけてインパクトを与えた方が良い派なのです。


特に目新しいオチは無いです。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


という訳で、皆さんお待ちかね!!


昔の馬鹿馬鹿しい動画シリーズwww


待ってねえよ! とか 知ってるよ、それ!! とか感想が欲しい所ですな。


今回紹介するのは、「著作権……版権? 何それ、美味しいの?」という、無差別テロ!!


「カオスパロボ」という奴です。スパロボを魔改造して、くじ引きでキャラクターを入れ替えるという、神をも恐れぬ所業!!


⇒1話毎に機体とパイロットが変わる第2次スパロボα(完結)

「https://www.nicovideo.jp/user/1156242/series/13969」


 見どころは何と言っても、鋼鉄ジョナサン関係と「木製のひげプロ」のコンビである(断言)!!


 死ねよや~!! で間違いなく腹筋が破壊される筈だ。21+22話だけでも良い、是非見て欲しい、マジで!!



元ネタとのシンクロ具合……視聴者の掛け合いも含め『カオス』そのものである。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ